昂は、2人の女性から立て続けに交際を断られショックを受けたのだが、1人は初めてお見合いをした女性だった
「小柄でやせていて、見た目がタイプ。話してみたらすごく楽しい人で、お見合いしていた1時間があっという間に過ぎました」
ひと目ぼれだった。お見合い相手の成田美智恵(34歳、仮名)からも「交際希望」がきて、2人は交際に入った。恋愛に不慣れな彼だったが、毎日LINEを入れたりデートに誘ったりしていく中で、気持ちがますます盛り上がってしまったようだ。
2度目のデートを終えた後に、昂からこんなメールがきた。
「ヤバイくらい好きになってしまいました」
私は昂が美智恵に一途になりすぎているのが、少し不安だった。思う気持ちが強くなりすぎると、自由に身動きが取れなくなる。自分らしさが出せなくなる。いらない妄想がわいたり、嫉妬心が強くなったりする。
「昂さん、1人の女性を好きになったときほど、執着を分散させたほうがいいのよ。あと4つお見合いが残っているでしょう? その中で気に入った人がいたら、交際希望を出して、その女性とも食事をしたりデートをしたりしましょう。ほかの女性と交際することで、気持ちもクールダウンできるし、より冷静に美智恵さんを見ることができるから」
こうして4つのお見合いをした昂は、その中の1人、2つ年上の古田陽子(40歳、仮名)とも交際することになった。
愛情のギブアンドテイクを求めてはいけない
陽子と交際をしつつも、昂は美智枝に夢中だった。しかし、3回目のデートを終えたところで、美智枝との関係の雲行きが怪しくなった。
「美智恵さんから“交際終了”がくるかもしれません。毎日あった返信が一昨日からないんです」
ある夜そんなメールがきたので、昂と電話で話をした。
「何があったの?」
「毎週末会っていたんですが、先週末は会えなかった。美智恵さんが、仲のいい友達4人と温泉旅行に行くからって。疑っちゃいけないと思ったんですけど、友達って女なのかな。中に男もいるんじゃないかって。で、その温泉に行った夜、LINEの返信がなかったんですよ。心配で不安で眠れなかった。そしたら翌朝、“夕べは、久しぶりに女4人で話が盛り上がって、お酒も飲んで、寝てしまいました”ってLINEがきたんですね。そのLINEに、“僕は、返信がこなかったから心配で眠れませんでした。1晩放置されるのはつらいです”って、メールしてしまったんです」
美智恵にしてみたらまだ3回しか会ったことのない相手に、たった1晩返信しなかったからといって、「心配で眠れなかった」と言われたのは、重たかったに違いない。
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