インスタで激売れする「まつげ美容液」の正体

150ドルの商品が飛ぶように売れている

今夏発売され、瞬く間に完売した「ラッシュブースト」(Tony Cenicola/The New York Times)

その宣伝は、知り合いの女性がフェイスブックやインスタグラムにアップする「ビフォーアフター」の写真という形で届く。写真の焦点は彼女の目、特にまつげにあてられていて、最初はごく普通の自然なまつげだったのが、数週間後の写真ではそれが明らかに変化し、長く、濃く見える。マスカラによってその効果がさらに増した写真もある。

写真に添えられたキャプションがこう畳みかける。「あなたも欲しいなら手に入れて!」。

ソーシャルメディア上の生の声と直販の力

こうした写真は、スキンケアメーカー「ロダン・アンド・フィールズ」のまつげ美容液を販売する女性たちが投稿したもので、今年、ソーシャルメディア上で話題になっている。同社は、商品の大半を独立した「コンサルタント」を通して販売している。

一般的な女性が1カ月後にまつげが伸びることを願い、処方箋もなくほとんど世間に知られていない液体を毎晩まぶたに塗ることに懐疑的にならないのかと思うかもしれない。もしこれがテレビのコマーシャルで目にしたものだったら、何のためらいもなくやり過ごすだろう。

しかし、ソーシャルメディア上の生の声と直販の力によって、そのまつげ美容液「ラッシュブースト」は、今夏に発売されてから瞬く間に完売。ロダン・アンド・フィールズによると、150ドルする同商品の初年度の売り上げは1億7500万ドルを超える見込みだという。

この人気は現代の直販会社の動向を浮き彫りにしている。かつては直販といえば訪問販売か社交の場で行われていたが、ソーシャルメディアの時代ではセルフィーが新たな手段となり、企業が消費者に買わせたい商品に対して影響力をふるっている。

「当社のビジネスは販売している商品の目に見える効果に基づいている」と、ロダン・アンド・フィールズの最高ブランド責任者(CBO)リン・エモローは言う。「コンサルタントと彼女たちの友人とのつながり、そして目に見える効果。これが魔法を起こしている」

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