インスタで激売れする「まつげ美容液」の正体 150ドルの商品が飛ぶように売れている
ラッシュブーストはロダン・アンド・フィールズにおいても特に成功を収めている。市場調査会社ユーロモニターによると、同社は昨年、米国においてニュートロジーナやオレイを押さえ、スキンケアブランドのトップに躍り出た。ニキビケア製品「プロアクティブ」を開発した皮膚専門医によって創業され、同社によればしみ・シワ対策のフェースクリームなどの商品展開により年間収益は10億ドルを超えるという。
長くて濃いまつげを求めるのは女性たちにとっては何ら新しいことではないが、それを手に入れる方法は、もはやマスカラや2009年に登場した処方薬ラティースにとどまらない。女性たちにとって数週間おきにサロンでまつげエクステをすることは、結婚式など特別な日のものではなく、マニキュアのように日常的なものになりつつある。
昨年には、つけまつげをより簡単に付けられることをうたい、グルーの代わりに磁石を使った商品も登場した。そして、ソーシャルメディアに投稿された個人の声や効果を示した写真がラッシュブーストなどの売り上げを押し上げている。
「まつげはどんな人でも見た目がよくなり、写真は特にそうだから、この商品は急激に広まると思った」と、磁石付きつけまつげ「ワンツーラッシュ」を開発したケイティ・ストーカは言う。「するとセルフィーの盛り上がりと重なった」。
化粧品は「未知の領域」
直販は、健康ドリンクからジュエリー、レギンスまであらゆる商品のオンラインでのPRに採用されているが、美容関連商品は特に人気だ。NPDグループの美容業界アナリスト、ラリッサ・ジェンセンは、化粧品が概してソーシャルメディアで人気を集めるのは、「非常にワクワクさせるものだからだ」と言う。
米国食品医薬品局(FDA)の顧問を10年以上務めてきた皮膚科医のエイミー・ニューバーガーは、ラッシュブーストはラティースの後に市場に登場した一連のまつげ美容液と類似しているという。
ただラッシュブースは「優れたマーケティングが非常に功を奏している」とニューバーガーは言う。彼女は、こうした商品はまつげやまゆ毛に目に見える効果があるとしながらも、各ブランドが独自の製法を用いていることや、化粧品全般的に試験の実施が限定的であることから「未知の領域」だという。