鉄道は「EV・自動運転」時代に生き残れるか コスト低下と自由度の高さに地方では大敗?

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ところがEVになると、前述のとおり距離単価がさらに下がるだけでなく、車両価格も下がると予想されている。さらに、自動運転化されればうっかり事故や無謀運転は激減することが予想されるため、保険料も大幅に下がるだろう。そうなると、カーシェアリングやレンタカーの利用料が鉄道より安くなる可能性が高い。

格安レンタカーを使用すると、レンタル料に比べて保険料が異様に高いことに気づかされる。たとえば、今年筆者が北海道で借りたレンタカーは、9日間借りて1万8000円だったのに対して、保険料は9720円だった(共に税込)。なんと、全支払額の3分の1以上が保険料だったのだ。

事故が減れば保険料は下がるため、自動運転車になると保険料も大幅に下がる可能性が高い。北海道で9日間税・保険料込み1万8000円となったら、もはや鉄道の出番はなくなるだろう。レンタカーやカーシェアリングの利用料が、1人の場合でも鉄道と同レベル、あるいはそれより安くなる可能性があるわけだ。

さらに、渋滞も含めた到着時刻は、自動運転車が普及するにつれてかなり正確に読めるようになる可能性が高い。拠点駅で乗り換える手間も時間も不要になり、自動運転と人口減少で道路混雑が減ることも予想されることから、ビジネスでもますます鉄道を利用する理由はなくなってくる。

鉄道はどうすれば生き残れるか

では、鉄道に将来はないのだろうか。

残念だが、通学・通院のためだけに走らせている鉄道は、将来がないと筆者は考えている。しかし、鉄道と一口にいっても日本全国にはさまざまな鉄道があり、それらの多くは自動運転・EV時代になっても必要とされ続けるであろう。ただし、生き残る要因は、その鉄道の置かれた環境によって違ってくるのではないだろうか。

誰もが予想する、将来も必要な鉄道は超高速鉄道だ。最高時速300km以上で都市間を結び、都市中心部に時間どおりアクセスできる超高速鉄道は、大量高速輸送手段として将来的にも必要とされる交通機関であろう。また、大都市での通勤通学輸送も生き残ることだろう。いかに自動運転のEV車が普及したところで、道路の渋滞解消には限度があるし、駐車場の場所にも限界があるからだ。

ただし、現状でも渋滞が深刻でない地方都市に関しては、通学輸送が自動運転バス化されれば鉄道が不要とみなされる可能性が高いと思われる。

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