「トヨタのできる人」が365日実践する3大習慣 生産性の高い職場ほど「ラクをする」
「星取表」のメリットについて、トヨタで40年以上のキャリアをもつトレーナーの小倉良也は、次のように指摘します。
「星取表にまとめることによって、誰がどの作業を、どのレベルでできるのかがひと目でわかります。どのスキルをもっている人が不足しているのかも、一目瞭然になるため、管理監督者は、不足しているスキルができる人を育てることで、シフト管理や配置転換もしやすくなります。
特にトヨタでは、『優秀な人から社内横断プロジェクトなどを担当させ、外に出す』という習慣があります。その人材の穴埋めをするために、誰にどんなスキルを身に付けさせるかも、星取表とにらめっこしながら検討していきます」
「星取表」によるスキル管理は、どんな職場でも応用できます。営業の現場であれば、「商品知識」「プレゼン能力」「クレーム対応」「書類作成」など、必要とされるスキルを細分化し、星取表を作成します。これを部署内で視える化することによって、それぞれのメンバーがどんなスキルをもっているのかが一目瞭然となり、全体のバランスを見ながらスキルの習得を促すことができます。
また、個人のスキルを視える化することによって、メンバー1人ひとりが、自分のスキルはどのレベルなのか、どのスキルが足りていないのかに気づくことになるので、個人の危機感や向上心をかきたてることにつながります。
習慣③「さあ、どうしてやろうかな」が口ぐせ
短時間でラクに仕事をするだけが生産性向上に結びつくわけではありません。付加価値の高い仕事をすることも生産性向上のためには必要です。
仕事に真剣に取り組んでいると、ときに困難にぶつかることがあります。これまで経験したことのないような新しい仕事、背伸びしなければできないようなチャレンジングな仕事など……。これからの苦難を想像して、二の足を踏み、見て見ぬふりをしたいと考えるかもしれません。
しかし、トヨタでは、あえてむずかしいことに挑戦することが習慣化しています。そうした困難こそ、貴重な学びの機会ととらえているのです。
「トヨタには、困難を困難と考えない上司がたくさんいた」と話すのは、トヨタで40年以上の現場経験をもつトレーナーの中上健治です。
「私のトヨタ時代には、困難な事態に直面したときでも、決して弱気な発言をしない上司がいました。困難を前に立ちすくむのではなく、『さあ、どうしてやろうかな』と、すぐに問題を解決する方法を検討し始めるのです」
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