クラウド向け国内開発ベンチャーがタッグ テラスカイ、資本提携で弱点のアマゾン向け取り込む
提携後の新グループが目指すのは、ハイブリッドクラウドサービスの提供。ハイブリッドというと、従来型のオンプレミス(顧客の社内サーバー)とクラウドの組み合わせを意味するケースが多いが、同社のいうハイブリッドは、クラウドtoクラウド。具体的には、市場で圧倒的な地位にあるAWSとセールスフォースの組み合わせだ。
「セールスフォースはよくできた完結されたプラットフォームではあるけれど、大容量のデータに弱く、何千万件、何億件のデータを一晩で処理するのは難しい。その場合は、いったんアマゾン(AWS)のほうに逃がして、計算をして、(セールスフォースに)戻す場合もある。セールスフォースのストレージはデータベース付き。アマゾンはそういうものがついていないので安い、PDFとかパワーポイントとかは大容量だけど、データベース化するまでもないようなファイルは、アマゾン上にアーカイブして、セールスフォースに書き落とす。これがいまの売れ線のサービスになっている」。佐藤社長はそう説明した。
急成長のなか不足するエンジニア
膨れ上がるハイブリッド需要に対し、両社に欠けていたのはエンジニアの数だった。SIerの規模は、エンジニアの数と比例する。急激に膨らむ需要に対し、採用が追いついていなかった。
特にテラスカイでは、100人いるエンジニアは、セールスフォースについては全員がわかるものの、アマゾンに習熟したエンジニアは7人にとどまっていた。急成長するアマゾンへの対応は十分ではなかった。一方、サーバーワークスには30人以上、アマゾンのAWSがわかるエンジニアがいる。これで補完関係は完成することになる。
もちろん、現状に対応するだけではなく、伸びるAWS向けに人員をさらに増やしていく計画だ。新生テラスカイグループが掲げるのは、3年後にAWS向けエンジニアを100名体制とし、グループ全体の売上高を現在の3倍となる50億円にするという目標だ。
今回、業務提携にとどまらず、資本提携まで進んだ理由について、テラスカイの佐藤社長は、「業務提携だと、お互いのノウハウを出し合えない。もう少しコミットした形にした」と説明する。佐藤社長はサーバーワークスの社外取締役に就き、両社は決算期もテラスカイにそろえることになる。
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