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スーチー氏悩ますロヒンギャ問題の政治的闇 軍に立ち向かわなければ解決はありえない

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ミャンマーでは近年、仏教民族主義が勢いを増し、ロヒンギャへの憎悪と暴力をあおってきた。軍はロヒンギャを弾圧することで、仏教僧からの支持を取り付けているのだ。ミャンマーでは今も仏教僧の影響力は大きく、軍といえども権力基盤を脅かされかねない。

一方、スーチー氏は、まさに板挟みである。ロヒンギャの側につけば、軍だけでなく、多数の有権者からの強烈な反発にさらされる。しかし、沈黙を続ければ、自身の倫理的権威は地に落ちる。

政治的リスクを引き受けよ

確かに、スーチー氏はコフィ・アナン元国連事務総長を委員長とする特別諮問委員会を設置し、対処法を探った。だがそれは、単なる時間稼ぎの作戦だったように見える。自らのジレンマを解消する道をアナン氏が見つけ出してくれるものと期待していたのだろう。

もちろん、それはありえないことだった。諮問委員会がスーチー政権に求めたのは、ロヒンギャの市民権を確認するための明確で、透明かつ有効な手順および時間軸を、即時に確立することだった。

スーチー氏は、1991年の平和賞受賞に際し、ノーベル委員会から「力なき者の力」の傑出した模範とたたえられた人物だ。同氏こそが和平の推進役とならなければならない。確かに、権限は厳しく制限されており、同氏に軍を従わせる力はない。だが、同氏の倫理的権威はかつて軍を屈服させるほどの力を持っていた。そのパワーは今もまったく減じていない。

スーチー氏は政治的リスクを引き受け、過去にそうしたように、軍に立ち向かうべきだ。

2012年のノーベル平和賞受賞記念講演で、スーチー氏はこう言った。「忘れられることは、自分の一部が死ぬということ」。ロヒンギャが虐げられ、忘れられるのを、同氏は許してはならない。

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