ウーバー、ロンドンで「営業取り消し」の意味

ハイテク企業vs.政府の仁義なき戦い

ハイテク企業の中でも、特にウーバーとエアビーアンドビーは、法律で厳格に定められているものの限界を、本気で意図的に破壊しようとしている最悪な企業の例であると考えられている。ロンドンのような厳しいタクシー規制がある地域ではウーバーは営業許可を得る必要があるが、他地域ではウーバーも通常のタクシードライバーも既存のタクシー営業許可の範囲を超えるサービスを行っている。

また、エアビーアンドビーは、短期での部屋の貸し出しを明確に禁止している都市で、部屋を貸し出している。両社は既存の現地規制を無視していないまでも、それをくぐり抜ける策に基づいて自らのビジネスモデルを組み立てている。規制当局はしばしば、こうした規制を施行し続ける能力や、あるいは政治的意思を欠いているからだ。

血を地で洗うような争いは続く

おそらく、ロンドンによるウーバーをめぐる決定は、ハイテク企業と規制当局との「争い」において最も深刻なものになるだろう。同社が最終的に路上から締め出されるようなことは多分起こらない。ウーバーはロンドン市に撤回を求める間も営業を続けるだろうから。こうした中、最もありうるシナリオは、同社が規制機関と妥協して協定を結ぶというものだ。もちろん、簡単には進まないだろうが。

すでにウーバーはいかにもすぐ妥協しそうな姿勢を見せている。9月25日に同社のCEOは、「(同社が)変わる必要があることを認識している」とする悔恨の手紙を規制当局に送っている。カーン市長はこの声明を歓迎し、問題解決の会談を持ちたいと述べていた。

しかし野党労働党で人気が急上昇しているスターであるカーン市長が実証したことは、規制当局が認めた場合のみ、こうした企業は営業ができるということだ。つまり、こうした企業はすぐに新しい企業に取って代わられやすいということである。よりよい雇用条件や安全基準を設けているライバル企業がウーバーに取って代わる可能性があるのだ。

同じようなことはオースティンでも起きている。テキサス州政府がウーバーとリフトを締め出したことによって、同市では配車サービスの激しい競争が生じている。

巨大ハイテク企業が、消え去る可能性は低いだろう。しかし、国や地方の政府もまた、民主的な方法で選ばれようと、そうでない方法で選ばれようと、消え去る可能性は低いのだ。自動運転車、オートマティックショップ、人工知能(AI)といった新たなテクノロジーが次々と出てきているが、結局はそれを扱っているのがこうした大手企業である以上、企業と政府の血で血を洗う争いは激しさを増すばかりだろう。

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