プロが選ぶ「2017年秋必見の仕事ドラマ3作」 「逃げ恥」ブームの昨秋を超える力作ぞろい
最後に、わが道をゆくテレビ東京は、弱小広告会社に勤めるコピーライターの活躍を描いた「ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~」(金曜20時~、沢村一樹主演、10月20日スタート)。質店を営む鑑定士が依頼人の問題や事件に立ち向かう「新宿セブン」(金曜24時12分~、上田竜也主演、10月13日スタート)、通称“愛人教授(ラマン・プロフェッサー)”が愛人の作り方を教える「フリンジマン~愛人の作り方教えます~」(テレビ東京系、板尾創路主演、10月7日スタート)。
今秋もテレビ東京は、「絶対に他局とはバッティングしない」オリジナリティで勝負。最初からマスを捨ててコアを狙う戦略ですが、ネットの普及で「コアの熱が発信力となってマスに到達する」というケースもあるだけに、今やアウトサイダーとは言えません。実際、民放他局はテレビ東京の連ドラ作りに注目しているという声をよく聞きます。
ビジネスパーソンにおすすめの3作
ここからビジネスマンにおすすめの3作を挙げていきます。
1作目は、「陸王」。ビジネス界を舞台にした小説と言えば、池井戸潤さん。ドラマとの相性は「半沢直樹」「ルーズヴェルト・ゲーム」「下町ロケット」(TBS系)で実証済みであり、それらと同じスタッフが手がけるだけに、今作も期待していいでしょう。
主なあらすじは、「埼玉県行田市にある老舗足袋業者『こはぜ屋』の4代目社長・宮沢紘一(役所広司)は、業績不振や資金難に悩んだ末に新規事業への参入を決意する。それは、足袋作りのノウハウを生かし“裸足感覚”を追求したランニングシューズの開発だった。しかし、従業員20名あまりの地方零細企業にとって、資金、人材、開発力、大企業との競争力……いずれにおいても困難な挑戦となる」。
テーマは、企業再生と働く人々の絆。「下町ロケット」らと同様に、今作でもビジネスシーンのディテールには池井戸作品らしいリアリティを感じます。たとえば、池井戸作品では恒例とも言える銀行担当者と融資交渉するシーン。「宮沢は銀行担当者の言葉で危機感を募らせ、新規事業への参入を考えはじめる」という心理描写が丁寧に描かれています。
役所さん自身、「宮沢社長は、決して経営者として才能ある人物ではないけれど、彼には人を惹きつける不思議な魅力がある」とコメントしていました。能力のあるエリートの物語ではないだけに、ビジネスパーソンにとってはインスパイアされるところが多いでしょう。
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