安倍首相、消費税の使途変更を争点に解散へ 25日会見での首相発言全文と質疑応答

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さらに北朝鮮がその政策を変更しないのであれば、国際社会とともに一層圧力を強化していく。北朝鮮には勤勉な労働力があり、資源も豊富だ。北朝鮮が正しい道歩めば、経済を飛躍的に伸ばすこともできる。

しかし、拉致、核、ミサイル問題の解決なくして、北朝鮮に明るい未来などあり得ない。北朝鮮にその政策を変えさせなければならない。そのための圧力だ。圧力の強化は北朝鮮を暴発させる危険があり、方針転換して対話すべきではないかという意見もある。世界中の誰も紛争など望んでいない。

しかし、ただ対話のための対話には意味はない。この20年間、わが国をはじめ、国際社会は6カ国協議など、対話による平和的解決の努力を重ねてきた。その中で北朝鮮は、2度にわたり核・ミサイルの放棄を約束したが、結果としてそれらはことごとく裏切られ、核・ミサイル開発が継続されていた。対話の努力は時間稼ぎに利用された。北朝鮮に全ての核・弾道ミサイル計画を、完全な検証可能かつ不可逆的な方法で放棄させなければならない。そのことを北朝鮮が受け入れない限り、今後ともあらゆる手段による圧力を最大限まで高めていくほかに道はない。私はそう確信している。

そして、拉致問題の解決に向けて、国際社会でリーダーシップを発揮し、全力を尽くしていく。北朝鮮が意図的に緊張をあおっている今だからこそ、私たちはぶれてはならない。北朝鮮の脅かしに屈するようなことがあってはならない。私はこの選挙で、国民の皆さんから信任を得て、力強い外交を進めていく。北朝鮮に対して、国際社会とともに毅然とした対応を取る考えだ。

この解散は「国難突破解散」

先の国会では、森友学園への国有地売却の件、加計学園による獣医学部の新設などが議論となり、国民の皆さんから大きな不信を招いた。私自身、閉会中審査に出席するなど、丁寧に説明する努力を重ねてきた。今後とも、その考えに変わりはない。この選挙戦でも、野党の皆さんからの批判はここに集中するかもしれない。

こうした中での選挙は厳しい、本当に厳しい選挙となる。そのことはもとより覚悟している。しかし、国民の信任なくして、国論を二分するような大改革を前に進めていくことはできない。わが国の国益を守るため、毅然とした外交を推し進めることはできない。国民の皆さんの信任を得て、この国を守り抜く決意だ。少子高齢化、緊迫する北朝鮮情勢、まさに国難とも呼ぶべき事態に強いリーダーシップを発揮する、自が先頭に立って国難に立ち向かっていく。これがトップである私の責任であり、総理大臣としての私の使命だ。苦しい選挙戦になろうとも、国民の皆様とともにこの国難を乗り越えるため、どうしても今、国民の声を聞かなければならない。そう判断した。

この解散は「国難突破解散」だ。急速に進む少子高齢化を克服し、わが国の未来を開く、北朝鮮の脅威に対して国民の命と平和な暮らしを守り抜く。この国難とも呼ぶべき問題を、私は全身全霊を傾け国民の皆様とともに突破していく決意である。

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