医師が警告!「妊娠中の食べ物」、ここに注意 「肉は?魚は?調理法は?」ポイントを解説

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最後は、多くの方が意識している「お酒のリスク」です。「ちょっとなら……」と思っても、赤ちゃんには大きな影響をたくさん与えてしまいます。

【3】たばこと一緒の「お酒」はリスクがさらに高まる

たばこはもちろんダメですが、それにお酒が加わってくると、赤ちゃんへの悪影響はさらに大きくなり、たとえば「低出生体重児」となる確率が30%近く増加するという報告も出ています。

また、妊婦の飲酒による「FAS(胎児性アルコール症候群)」は1万人に1人発症するとされています。

「FAS」は発育が悪く、頭やあごが小さいという特徴があるほか、小脳・脳梁・前頭葉などが萎縮するなどの障害が起こります。

そのため、「集中力や注意力が持続できない」「計画性をもった行動ができない」などの「学習・行動上の障害」「自己の感情抑制ができない」など、社会生活に困難が生じてしまいます。

妊娠中は、喫煙はもちろん、飲酒のリスクにも十二分に注意してください。

子どもの人生は「妊娠中」から始まっている

「妊娠中でも太りすぎはいけない」と思って体重ばかり気にしても、必要な栄養を取らないと、元気で健康な赤ちゃんは生まれてきません。

でも、食べ物に神経質になりすぎてストレスをためてしまっては、いくら食べ物に気をつけても効果は薄れてしまいます。

毎日の食生活ですから、一緒に生活をしているパートナーや家族の協力も必要になってきます。お互いに協力し合って、赤ちゃんに必要な栄養を意識しながら日々の食生活を考えてみましょう。

子どもの人生は「妊娠中」から始まっています。ぜひ、「妊娠中の正しい過ごし方」を知り、みんなで子どもを守ってほしいと思います。

白川 嘉継 小児科医師、福岡新水巻病院周産期センター長

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しらかわ よしつぐ / Yoshitsugu Shirakawa

1959年、福岡県生まれ。産業医科大学医学部医学科卒業。医学博士(小児科学)。

福岡新水巻病院周産期センター長。小児科医師。みずまき助産院ひだまりの家顧問。日本女性生涯支援協会理事。

産業医科大学新生児集中治療室医長、同大学小児科学講師、福岡看護専門学校水巻校長等を歴任。

専門領域は小児科学、特に新生児学。25年以上にわたり、小児科医師として、新生児、未熟児の医療、発達障害児、情緒障害児の医療に携わる。特に新生児の健診では4万7000人以上に携わり、面接した家族は2万2000家族を超える。

医療関係者のみならず、助産師や保育士、教育関係者からの支持も厚く、幼少期の養育環境と子どもの発達をテーマにした講演会を、全国で数多く行っている。

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