妊婦さんの味方「トコちゃんベルト」の正体 あの「おとなまき」と同じ考案者だった

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「トコちゃんベルト」の販売も軌道に乗ってきたので、生まれた赤ちゃんのケアにも取り組みました。最近の赤ちゃんは、母親の骨盤の歪みから分娩のときに体が引っ掛かって首の骨がずれたり、誕生後も仰向けに寝かせておくと向き癖がついたりします。これが頭の歪みを生み、後に肩こりや頭痛の原因になるのです。昔の農村では、母親が農作業の間、傍らに桶を用意してそこに赤ちゃんを寝かせていました。体が丸くなって背骨が胎内にいたときと同じC字形になるので、気持ちよく寝たそうです。

この方法を現代に応用したのが、「おひなまき」です。全身を丸くし、軸をねじらず、手足を伸ばさないよう布で巻きます。信子さんはそのための商品として、綿100%素材の特殊なメッシュ生地を採用しました。ぴったりと包まれても布に伸縮性があるので、赤ちゃんは中で手足を動かすことができ、母親の胎内にいるような気持ちですやすや寝てくれます。

何も言えない赤ちゃんは本当に気持ちがいいのか?

おとなまき(筆者撮影)

しかし疑り深いのが人の常。赤ちゃんは何も言えないので本当に気持ちがいいのかわからないのでは、という人も出てきます。それなら、と考案したのが冒頭で触れた「おとなまき」です。大きな布に包まれた姿がまるでミノムシやミイラのようだと話題になりました。

8月13日の日本テレビ系「行列のできる法律相談所」、8月24日のMBS「メッセンジャーの〇〇は大丈夫なのか?」、9月6日のフジテレビ系「めざましテレビ」などで相次いで紹介されたことから、幅広い知名度を得ました。

トコ助産院の院長として登場する奥様の信子さんの指導の下、半信半疑で布に包まれた大人たちは、10分後すっかりリラックスした表情で顔を出し、異口同音に「すっきりした」「気持ちよかった」と感想を述べます。なお、体験の前後で前屈の数値が8㎝以上アップしたという報告もありました。

実はこの「おとなまき」、筆者も特別に体験させてもらいました。最初は窮屈かなと思いましたが、メッシュの生地が伸び縮みして拘束感はありません。頭の後ろを枕で支えてもらって丸い姿勢が安定すると、まるで羊水の中にいるような心地よさです。わずか数分の体験でしたが、体も少し温かくなり、すっかりリラックスできました。なるほどこれなら、赤ちゃんも「おひなまき」で気持ちよく眠れるはずだと納得しました。

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