妊婦さんの味方「トコちゃんベルト」の正体 あの「おとなまき」と同じ考案者だった

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しかし車社会の到来と生活様式の変化により、現代人のじん帯や筋肉は驚くほど弱まり、妊娠すると骨盤がゆるみすぎるようになりました。このゆるみが、便秘や頻尿、腰痛を引き起こし、さらに子宮を圧迫して胎内の赤ちゃんにも悪影響が出ます。しかし、今さら短期間でじん帯や筋肉を強化するのは無理な相談です。

骨盤の仕組み(図:会社提供)

そこで「骨盤ケアの3原則」が考案されました。下がった子宮を「あげる」、ゆるんでいる骨盤を「トコちゃんベルト」で「ささえる」、ゆがんだ骨盤を体操で「ととのえる」の3つを繰り返すというものです。なお「トコちゃんベルト」の装着は、助産師さん、産婦人科医などの専門家に教えてもらうと確実です。関西在住の方は、北区天満橋に同社直営の「トコちゃん教室&Shop」がありますので、そちらにお問い合わせいただくのもいいと思います。

“世界初”の商品だからこその苦悩

しかし、産婦人科の現場から生まれた自信作も、当初の販売は苦労の連続でした。「発売から3年間、まったくと言っていいほど売れませんでした。“世界初”の商品なので、誰もまともに取り合ってくれません。会社は在庫の山でした」(渡部社長)。

この苦境をどうやって乗り越えたのでしょうか。渡部社長は当時を振り返って3つのポイントを挙げます。

① 助産師学会、産科婦人科学会などの展示会にできるだけ出品

知り合いなどが買ってくれたわずかな売り上げから資金を捻出して、全国のお産に関係のある展示会に出品しました。何しろ誰も見たこともない商品なので、触って体験してもらうことがいちばんです。実際に着用すると、皆さん専門家なのでその効果もすぐにわかってもらえました。

② 妊娠、産後をキーワードとするホームページの立ち上げ

1999年春、妊娠と産後の腰痛ケアの情報発信を目的にホームページを開設しました。「妊娠・産後・腰痛・尿漏れ」で検索すると、ほとんどの人は同社のホームページにたどり着きます。開設当時は月20ほどのアクセスでしたが、今では月15万~16万アクセスの人気サイトになりました。商品の問い合わせも多く、通販サイトも開設して現在に至っています。

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