退職時に「同僚と連絡禁止」命令は許されるか 「SNSの関係も切れ」と会社側は言うが…
会社を退職する際には出来るだけ円満に辞めたいものですが、思いがけないトラブルにあうことも多いようです。都内在住のJ子さんは、以前勤めていた出版社を退職する際、「社内の人間とのアクセス禁止令」を出されたといいます。
「人事担当者から『社内の人間も資産です』と言われ、『今後社内の人間と連絡をしない』といった書面に署名を書かされました。さらには、『今同期などとLINEやFacebookで繋がっているなら、友達をこの場で切ってください』とまで言われて……」(J子さん)
転職時に「退職後、競業他社へは就職しない」という「競業禁止契約」を企業と従業員が結ぶケースはよく聞きますが、退職する社員に対して、同僚との連絡を禁止することまで出来るのでしょうか。黒柳武史弁護士に聞きました。
今回のケースは「公序良俗」に反する
「会社が連絡を禁止するに至った背景を知る必要もありますが、基本的に、退職者がかつての同僚と連絡を取ることを全面的に禁止するような合意は、公序良俗(民法90条)に反し、無効になる可能性が高いと考えられます」
黒柳弁護士はそう指摘します。なぜでしょうか。