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日本経済は、スタグフレーションに突入へ 異次元金融緩和政策の空回りは続いている

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金融機関のポートフォリオが劣化する

金融緩和政策とは、マネタリーベースを増大させることでマネーストックをその数倍の規模増加させることだ。それがマネー市場における需給を緩和し、実質金利が低下することによって経済活動に影響が及ぶことを期待する。しかし、マネーストックが増えないのでは、そもそも金利押し下げ効果が働くはずはない。

こうした状態では、金融政策が為替レートに影響を与えることもない。なぜなら、為替レートに対する影響は、内外金利差の変化を通じて働くものだからである。

新聞報道などで、「日銀が4月に導入した異次元金融緩和のために円安が進行し」というような解説が当たり前のようになされている。しかし、そうしたことは、現実には生じていないわけだ。円安が進行しているのは、前回、前々回に述べたように、欧州からの資金流入が頭打ちになったためと、海外投資家による円安投機が行われているからである。これを「アベノミクスの成果」と言うのは、すりかえである。

ところで異次元緩和政策は、効果がないだけではない。現在の状況が続くと、銀行のポートフォリオは異常な形となり、収益性が低下する。

すでに述べたように、マネーストックの対前月増加額はマネタリーベースの増加額より少ない。金融機関全体で見れば、国債が減って当座預金が増えるが、貸出増が国債減をカバーできていないことになる。つまり、資産の収益性が減っているのだ。

マネーストック増加額とマネタリーベース増加額の比率が1であれば、金融システム全体として見れば、国債が減る反面で貸出が増えるので、収益性は基本的には不変だ。しかし、いまの状況が続けば、国債という収益資産が減り、当座預金という非収益性資産が増える。これは不健全なポートフォリオだ。

そうならないよう、ある段階で金融機関は日銀による国債購入に応じなくなる可能性がある。そうなれば、マネタリーベースの増加さえできなくなる。

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