9月は外国人投資家が日本株を買ってくる? 過去2年とは違う動きになる可能性がある
2015年、2016年と8月に2年連続で大量に売り越した外国人投資家は、予想通り今年の8月も売り越しとなった。しかし、最新8月第5週の外国人投資家は、現物だけを見ると売り越しだが、先物・現物合計売買動向では、3週間ぶりの買い越しになっている。この2年間では8月より9月の売りが多くなっているので、今年も相応の売りが出るのではと警戒されているが、8月最終週の動きを見ると、そうではない可能性も出てきた。
消去法的に日本株への関心が高まっている
実際、大手証券や外資系証券によるカンファレンスに、今年も多くの外国人投資家が来日するが、今年は若干様子が違うようだ。バブルとも言われ、明らかに高値圏にある米国株や、金融緩和政策の縮小が始まる欧州株をさらに買うのは難しい。そこで消去法的に日本株への関心が高まっている。
簡単に数値を比較してみよう。史上最高値圏にある米国株を支える企業業績を見ると、S&P500指数500社4-6月期決算は最終利益で前期比12%増、7-9月期以降の予想PER(株価収益率)は17.6倍(ロイター集計)である。
対して日本はそれぞれ33%増、15.31倍(9月8日現在)と、利益では3倍近い勢いで、逆にPERは低い。仮に例年通りに外国人投資家が売りに来たとしても、例年の10月、11月の買い転換を考えると、9月の安値は少々下げても、下げなくても買い場になる。ただ、外国人投資家も「コア30銘柄」やETF(上場投資信託)を無造作に買うというわけではなく、銘柄をしっかり選別している。①業績②オンリーワン③変化、の3つをキーワードに銘柄を選別すれば、年後半の相場は十分楽しめると思っている。
どう出るか注目されていた北朝鮮建国記念日の挑発行動は、いまのところない。韓国政府や一部の通信社が高い確率でそれを予測していたので拍子抜け感はあるが、やれやれと思う反面、何も解決されていない現状が続くと思うとうんざりだ。今週もマーケットは上値の重い展開が予想され、基本的に何かが変わると言うことはない。ただし、英マークイット社の8月のPMI(製造業購買担当者指数)を見ると、中国51.6、ユーロ圏57.4、米国52.8、日本52.2と良好な数字が並んでおり、世界の景気は安泰である。
今週の日経平均予想レンジは1万9200円―1万9600円とする。
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