仕事の判断に迷う人は基準を整理できてない どのように評価したのかの「透明性」も大事だ
では総合評価が行われることはないのか、というとそんなことはありません。逆のケースをイメージしてみるといいでしょう。
たとえば、「複数の判断軸は出してみましたが、結局重要視すべきは基準1なので、基準1だけに照らし、どれが最適かを考えた結果、案Aにするのがよいと考えます」と結論づけられたとしましょう。聞き手の頭の中には、「基準1だけでいいのか」という考えが間違いなく頭をよぎることになるでしょう。
また、重要な選択であればあるほど、単一の基準に基づいて選択することの怖さを感じるのも事実です。また、単一の基準のみにしてしまうと、一般的に相反すると目される「コスト」と「品質」、「機能性」と「デザイン」などの要素について、どちらか一方を犠牲にするような選択肢が出てこないとも限りません。
総合的な評価が適しているのは
となると、総合的な評価とは、「選択肢が出そろったところで後から評価する」というよりも、あらかじめ重要視したい判断基準が提示されているシーンに、より適しているかもしれません。たとえば、大規模なコンペなどは、提案を募集する要項にどういった視点で評価するのかの基準が示されているケースもあります。
つまり、どういった要素で評価するかを事前に示すこと=何を大切にしてほしいかを伝えるというプロセスが踏まれていると考えられます。総合評価のための基準は、選択のためというよりは、事前の牽制という意味合いに使える場合もあると考えてもいいかもしれません。
そして、加えて大切なことは、どのように評価したのかの「透明性」です。どの項目に何倍の重みをつけるかは、それこそ「決め」の問題になってきますが、重みづけについて「理由づけ」ができるようしっかりとその根拠を持つこと、そして、実際にどのように評価したのかがわかる形で見える化していくことが大切です。
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