ちなみに、入試の難易度でこの両校を上回る東京大学は、意外にも27位だった。有名企業400社の就職者数は1589人と少なくないものの、同時に一般企業以外の進路を選ぶ学生も多く、そのため順位が低くなる要因となっている。
東大新聞の調べによると、官公庁や研究所をはじめ、一般企業以外に就職した学生は1000人を超える。官僚や研究者を養成する帝国大学だった東京大学に対して、一橋大学は東京商業学校、東京工業大学は東京職工学校という、実学の大学として始まっている。こうしたバックボーンの違いが有名企業の実就職率の差となって表れているようだ。
3位の慶應義塾大学は総合大学で最上位だ。卒業生が8000人を超える大規模大学にも関わらず、46.5%が大企業に就職している。就職者数の多い企業のベスト3は、みずほフィナンシャルグループ146人、東京海上日動火災保険97人、三菱東京UFJ銀行91人などで、就職者が多い企業には金融系が多い。
3位慶應、4位上智、5位国際教養大
一方、慶應義塾大学と並び立つ、早稲田大学は7位。実就職率は慶應義塾大学より10ポイント近く低いものの、就職者が多い企業は、みずほフィナンシャルグループ109人、三菱東京UFJ銀行105人、東京海上日動火災保険81人などで遜色ない。
一般企業以外では、教員176人が、地方公務員と国家公務員合計で638人が就職しており、起業なども含めた多様な進路を選ぶ学生が多いことが、ランキング順位の差となっている。ちなみに、慶應義塾大学の教員就職者は25人、公務員は210人と、少なかった。
東京の難関私大である上智大学は4位だ。就職者の多い企業に金融が並ぶのは早慶と同じ。ただ、就職者数最多の企業がANAの32人で、日本航空も14人など、CA職に就く学生が多い。女子比率の高い上智大学らしい特徴といえよう。
5位と6位はグローバル系と理工系の小規模単科大学だった。5位の国際教養大学は2004年設立の歴史が浅い大学ながら、留学生と一緒の寮生活(1年次)や海外留学が必須など、グローバル人材の育成に力を入れている。そのためか一期生から大企業に数多く就職している。
6位の豊田工業大学はトヨタ自動車が社会貢献活動の一貫として設立した大学である。学費の安さや教育・研究施設の充実などにより、優秀な学生が集まることが大企業に強い一因となっている。
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