平壌の「MINISO」が突如ブランドを変えていた オリジナル商品の販売はなおも継続中
8月11日から19日にかけて平壌を旅行した英国人女性は筆者の取材に対し、現地の北朝鮮のバスガイドが、MINISOのロゴが入った傘を持っていたことを目にし、非常に驚いたことを明らかにした。なぜならば、その傘は、英国人女性が上海で以前に買ったものと同じ物だったからだ。
英国人女性は「傘の取っ手の部分に同じMINISOのロゴがあり、びっくりした」と語る。
MINISOのブランドを消した平壌店をめぐって、いったい何が起きたのか。名創優品産業東京本社の本部マネジャーで、広報担当も務める馬堅(マ・ケン)氏は8月21日、筆者の取材に対し、平壌店のブランド変更は初耳だと言い、「日本の名創優品産業は、北朝鮮店舗とはいっさい関係がない」と強調した。
馬氏は筆者の取材に対し、これまでも平壌店の開設はあくまで中国オフィスが関与したもので、東京本社は関与していないといった「距離を置いた」スタンスを一貫して示してきている。
「北朝鮮の問題で私たちは困っている」
とはいえ、世界進出を続けるMINISOにとって、国連安全保障理事会が厳しい制裁措置を科す北朝鮮とのビジネスは、ブランドの棄損をもたらしかねない。
馬氏は「北朝鮮の問題で私たちは困っている」と指摘、「私たちは米国などほかの主要国とビジネスを行っている。北朝鮮で得られる利益は、ほかの世界の国々で得られる利益よりもはるかに少ない」と述べ、中国オフィスのこれまでの対応に強い不平不満をもらした。
そのうえで、馬氏は「日本の名創優品産業として、中国の名創優品に対し、北朝鮮店舗との取引は止めるべきである旨の意見を述べたところ、中国の名創優品から、北朝鮮店舗との取引はすでに停止した旨の連絡を受けている」と発言。「中国オフィスはMINISOの商品を二度と平壌に出荷しないと私たちに約束した」と述べた。
ではなぜ今もMINISOブランドの商品が平壌店で売られているのか。
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