貧困や虐待に苦しむ子をどうしたら救えるか 理解してくれる大人と社会の受容が孤立防ぐ

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
堀潤さん

:僕も承認里親制度というのを取材した時に、一家族で何人もの子供たちを預かってきた親御さんたちにお話を伺ってインタビュー番組を作ったことがあるんですけど、その時にその親御さんが、「私たちは実の親にはなれない。でも応援団にはなれるんだ。だから、あなたには私たち応援団がついているから、いろいろどんなことがあっても安心して喋ってという関係を作りたい」と言っておられたんですよね。今お話聞いていたら、心にいろいろなプレッシャーを受けて育って来た子供たちに、「あれをやろう」「これをやりなさい」と言うよりかは、「ただ隣にいる」という関係だったのかなと。

荒井:そうですね。勉強を教える場でも、隣でただ菓子を食べているとか、話を聞いているとか、茶々を入れるとか、そんな関わりをしていたら、意外とそういう関わりを子供たちが気に入ってくれたりして。「支援をしてあげる」という向き合い方ではなくて、何気なく友達と会っているような感覚で、普通の関わりをすることの大事さに気づきました。

:居場所ってそういうものかもしれないですね。

「コミュニティーユースワーカー」の育成

:今いろいろな形で、GoodMorningも使いながらいろんな活動をされている。眺めてみると多岐にわたり、いろんな現場があるなと思うんですけど。その一つひとつを教えていただければと思います。まず、メインになるのはどういう取り組みですか?

小澤:メインになるのは、プロジェクトを作っている人たちの育成をしているということ。家族でもなく学校の先生でもないけど、自分に関心を寄せて理解してくれる大人を育成する。子供の声をちゃんと聞くとか、子供と楽しいことをして過ごすという人を育成しているというのがメインで、そこで育成された人たちがまさにいろんな場を作っています。

荒井:人材の育成を、「コミュニティーユースワーカー」という名前をつけてやっていて。これは私がずっとそういう活動をして来たということが大きい。

次ページ専門職の人とは違う役割
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事