「成長できる」「成長できない」企業の大きな差 失墜する名門とは明確に違う5つの共通点
時代の新しいトレンドを発見したら、あわてて周囲と同じ乗り方をしないことです。1つ大きな深呼吸をして、「他社と違う、自社独自のやり方で乗れるか」をじっくり考えるべきなのです。
次に自社がどうなりたいか
(5)大きなビジョンを持ちながら、刷新を躊躇しない
成長企業に共通する点として、「次に自社がどうなりたいか」というビジョン(経営計画)がしっかりしている点があります。
朝日インテックは、名古屋に本社を構えるメーカーです。かつてはプリンタやスキャナー、自動車のアクセルなどに使われる産業用のワイヤを作っていましたが、近年は医療機器へ参入。その高度な技術によって、完全に詰まった血管(慢性完全閉塞=CTO)を開腹せずに、カテーテル(管)を通すことで治療できる「ガイドワイヤ」の開発に成功、世界有数のメーカーへと発展しました。
同社はCTO治療では国内9割、世界で7割のシェアを誇り、2016年の売上高は395億円、営業利益は100億円と、急激な成長を続けています。
2代目の宮田昌彦社長は、同社がCTO治療用のガイドワイヤの開発に注力していた1994年に入社し、2009年に先代の父から事業を引き継ぎました。
朝日インテックが医療機器に参入したきっかけのひとつに、産業用ワイヤが価格競争の時代に入ったことがあります。同社は、この時代の波を敏感に感じ取り、次なる展開を模索したのです。
宮田社長は2009年9月の中部経済新聞のインタビューで、「中期的に、売上高300億円の目標達成に向けて全力を挙げる」と発言しており、実際に2009年度の売上高127億円から、2015年度には353億円を達成しています。
「2009年に社長になったときから、中長期的な目標を数字で立てるようにしてきました。社内だけでなく、公に明言することで責任も生じますし、社員にも本気度が出てきます。その結果、『この数字に向かってやらなくちゃ』と思ってくれるようになりました」
社長が経営計画を明確に掲げることで社員のモチベーションを引き出し、それが好業績につながるという好循環が生まれています。
東大発のベンチャー企業ユーグレナは、出雲充社長の「栄養価の高いミドリムシで、世界の栄養失調を解決したい」という熱い情熱によって生まれました。ミドリムシの屋内大量培養に世界で初めて成功し、現在はドリンクなどの商品開発が進み、ミドリムシの実用化は第一段階を遂げたといえます。
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