「成長できる」「成長できない」企業の大きな差 失墜する名門とは明確に違う5つの共通点

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(3)既存事業の売り上げ増と、新規事業の育成を両立

好調を続ける企業は、定期的に過去を捨て去る意識を強く持っています。別の言い方をすれば、既存事業がいくら成功しても、次の芽を育てる計画を立て、時を待たずに実行に移しているのです。

あらゆるモノがインターネットにつながる技術、IoTプラットフォームを開発・提供しているオプティムは、菅谷俊二社長が佐賀大学在学中に起業したベンチャーです。インターネットが広く普及するきっかけとなったNTT東日本・西日本の「フレッツかんたんセットアップツール」をご記憶の方も多いでしょう。あのサービスは、菅谷社長が開発しました。

同社は創業から16年で「IoTプラットフォームサービス」「リモートマネジメントサービス」「サポートサービス」「その他」と、4つの事業軸を経験しています。同社が成長を続ける要因は、時代に合わせて、異なる成長エンジンを準備してきたからなのです。

菅谷社長は、こう語ります。

「陳腐化した言い方ですが、『変化し続けること』につきます。やりながら感じていることですが、われわれは『伸びている』と言いながら、実は同じビジネスではありません」

ほとんどの企業は、過去にうまくいったビジネスと一緒に衰退していきます。それは、“過去に見た甘い夢”をいまも腕に抱きしめたまま、時代の進化の中で立ち止まっている姿なのです。

成功した過去への後ろ髪を引かれるような思いを断ち切って、トップが前に踏み出す勇気があるからこそ、持続的な成長ができているのです。

他社と違う、自社独自のやり方で乗れるか

(4)時代の新しいトレンドに独自のやり方で乗る

あらゆる時代には新しいトレンドがあります。しかし、そこに他社と同じ方法で乗り込むのは避けるべきです。なぜなら、あなたがまねをしようとしていること自体、それがすでに陳腐化していることを意味するからです(同じようなまねを考えている企業は、無数にあるかもしれません)。

ネット特化で求人情報を提供、アルバイトの「バイトル」を主力とするディップは、過去5年間に株価が60倍以上になるなど、快進撃を続けています。同社の冨田英揮社長は、マーケットへの新規参入について次のように発言しています。

「私個人にはそんなに力がないので、市場に参入するときは、アライアンス、戦略を非常に大事にしました。ネットに進出することになり、ではどこと組めばよいかと考えて、ヤフーさんに狙いを絞りました。ヤフーさんと組めなければ勝てないと決めてアプローチをしましたが、結局、口説き落とすのに3年かかりました」

2000年に創業し、拡大する電子書籍市場を牽引しているイーブックイニシアティブジャパンの小出斉社長は、こう語ります。

「昨日と同じことをして明日があるとは、われわれは誰も思っていません。クレイトン・クリステンセン教授が書いているように、いつ破壊的なイノベーションが予想もしない方向から飛んでくるかわからない。大砲が飛んできてから『撃たれた!』と言っているようじゃ遅いんです」

この発言を裏打ちするように、同社は新たな戦略として、2016年にヤフー株式会社と資本提携を発表しました。シナジー効果を生かし、今後は電子コミック分野での国内シェアナンバー1への成長を目指しています。

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