トヨタが「WRC再参戦」でつかんだ成果と課題

もう一つのホームグラウンドも気になる

老若男女合わせ人口の約10%に相当するファンが観戦に訪れるという(筆者撮影)
チーム代表トミ・マキネン氏(筆者撮影)
ドライバー/コドライバーは全員フィンランド人のチームだ(筆者撮影)

ちなみにフィンランドラリーの中心地となるユバスキュラはTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの本拠地から近いうえに、チーム代表のトミ・マキネンをはじめ3組のドライバー/コドライバーは全員フィンランド人のチームとしてはまさに“ホームイベント”だ。ちなみにフィンランドでラリーは日本の相撲に似た“国技”のような存在で、フィンランドラリーには老若男女合わせ人口の約10%に相当するファンが観戦に訪れるという。

そんな特別な1戦で、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamがエントリーする3台のヤリスWRCは快走。ヤリ=マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組はメカニカルトラブルで戦線離脱してしまったが、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組がWRカー参4戦目にして初優勝、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組は3位と初表彰台を獲得。ちなみに、ヤリスWRCは全25の競技区間(SS)の中で18のベストタイム、13の1-2タイム、さらに1-2-3タイムも記録するなど、着実に“強さ”も身に付けた。

エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(ヤリスWRC #12号車)がWRC初優勝を遂げた(写真:TOYOTA GAZOO Racing広報事務局)

キーワードは“ファミリー”

実はTOYOTA GAZOO Racing World Rally TeamはWRCの常識から考えると異例ともいえる短期間で誕生したチームで、マシンに至っては実質1年半くらいで開発されたという。今だから言えるが、同業者も含めて「本当にうまくいくのか?」「そもそもスタートラインに立てるのか?」と思っていた。そんな不可能を可能にした理由は何だったのか? 今回、現地でさまざまな立場の人にさまざまな角度から取材を行ってわかった結論は、技術論でも精神論でもない。キーワードは“ファミリー”だ。

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