「あなたが言うなら」を引き出す"3つの共感" できる人が軽視しがちな「懐への入り方」

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ビジネスでは相手から「この人は信頼できる。一緒にやってみよう」という共感が必要になるシーンがたくさんあります。共感できないと言われ、これはコンサルタントとしては致命的だと考えた私は、どうやったら共感を得られるのかと、いろいろな人の共感の得方を研究した結果、「3つの種類の共感」を使い分けることが有効だとわかってきたのです。

ゼロの共感では、相手と自分の共通点を話す

まず1つ目は、「ゼロの共感」です。これは相手に「この人は自分と同じだ」と思ってもらう共感です。趣味や好きなものが同じということは、当然共感しやすくなります。また、「写真が趣味です」と言うよりも、「私もXXさんと同じで、ZZの写真が好きなんですよ」と言うほうがより共感しやすいでしょう。

あるとき、クライアントのキーマンが好きな本をお聞きしたので熟読し、「この本のこの指摘にとても賛同します」と伝えたところ、「よくぞ理解してくれた」とその後、一気に話を聞いてもらえるようになったということがありました。書籍などは趣味嗜好や考え方、ポリシーなどさまざまなものを含んでいますので、それが一致すると共感しやすくなります。

ここまでは背景となる考え方への共感ですが、もっとダイレクトに、プレゼンテーションや会議の会話の中で共通の考えがあったときには、特に強調するようにしましょう。「実は私もXXさんと同じ意見です」と言われると、たとえその後に意見の相違があるという話をするとしても、共通点があることで安心して聞くことができるわけです。

とはいえ、なかなか意見の一致が見いだせない場合もありますね。そんなときでも気持ちには共感を示すことができます。

・「XXさんのご懸念はとてもよくわかります」
・「それは本当にたいへんなご苦労をされていますね」

と感情に寄り添うのです。研修などでこのことを伝えると「それは相手の意見を認めたことになりませんか?」と言われるのですが、共感と同意は別です。特に相手にたいへんなことを依頼したり、説得するような場合には、感情を無視して「とにかくこうしましょう」「こうしてください」と言ってしまうと、たとえ主張が正しいことだったとしても、心に壁ができてしまいます。主張のあら探しをされてしまったり、表面上は従ったように見えても、あとから「あのときは言わなかったけど、やっぱり……」と翻意につながってしまうことも。

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