中国の動画配信サイト「ビリビリ動画」の正体 年に1度の祭典に行ってみてわかったこと
陳董事長は「実際、我々はすでに数十タイトルの中国国産アニメに投資している。ビリビリは今後、国産アニメファンにとって最も重視されるプラットフォームの1つとなるでしょう。中国国産アニメは現在台頭の最中にあると考えています。5年先、10年先の台頭の過程において、ビリビリが重要な役割を果たすことは間違いありません」とコメントしている。
「踊ってみた」や「料理」などのユーザーコンテンツにせよ、あるいは中国国産アニメにせよ、ビリビリ動画に投稿されている弾幕コメント(ニコニコ動画的な、画面上に重ねて表示されるコメント)には、日本的文脈から生み出された文化が息づいている。根源をたどれば日本由来であることは間違いないのだが、今やその枠を跳び越えつつあるようだ。
コンサートでも、私の前に座っていた観客は日本人歌手が歌っている時も中国人一般配信者が歌っている時も変わらず、サイリウムを振り乱しながら「タイガー、ファイヤー、サイバー、ファイバー、ダイバー、バイバー、ジャージャー!」と叫んでいた。
日本コンテンツにとどまらず広がっていく「二次元経済」を目の当たりにして、ニッチを超えた規模に達する可能性を強く感じた。一方、テンセントはすでに中国原作の小説・マンガを日本のスタジオでアニメ化するという新たな取り組みをも始めている。果たして日本企業は「二次元経済」の商機をつかむことができるのか。
(文:高口康太)
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