新SNS「マストドン」が急伸している根本理由

中央集権的な従来型SNSとは何もかもが違う

マストドンのオリジナルサーバーではすでにIDの募集は終了している(写真:編集部)

「マストドン(Mastodon)」という可愛らしい名前のネットワークサービスが、インターネット上のさまざまなコミュニティで話題になっている。

登録者数は4月7日に約10万アカウントと発表されていたが、4月13日には20万、4月16日には30万にまで増加。今もその数は増え続けている。30万という数字は“まだ、その程度”ともいえる規模だが、サービス内容への好奇心から新たなユーザーを次々に巻き込むバイラル型の広がりを見せているのが特徴だ。

多くのビジネスパーソンは、この不思議な語感を持つサービスがどのようなものなのか、今ひとつピンと来ていないと思う。実はマストドンには従来のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)にはあまり見られなかった大きな特徴がある。それは機能面ではない。SNSのコミュニティ形成に関する部分だ。

「ポストツイッター」と呼ばれる理由

まずはマストドン急伸の要因を知るうえで必要なその出自を明らかにし、なぜ「ポストツイッター」と呼ばれているのかを解説したい。

マストドンを体験しようと登録しても、表面上は従来からのインターネットコミュニティを形成するサービスと、さほど違わないようにしか見えない。マストドンは1回の投稿(“トゥート”という)に500文字を入力できる短文型SNSで、特定のユーザーをフォローすることで相手のトゥートを読むことができるミニブログサービスの一種だ。いわば少し長い文章が書けるツイッターと、言えなくもない。

むろん、先行するツイッターなどのサービスと異なる点もあるものの大きな違いはない。それでもマストドンがユニークな存在となっているのは、その出自や開発コンセプト、イデオロギーが、マストドンに生まれるコミュニティの質に影響を与えている。

マストドンはクラウドコンピューティングを用い、グローバルのユーザーに単一の巨大なサービスを提供する中央集権型サービスに対するアンチテーゼとして設計されたシステムだ。単一の運営会社がSNSに形成されるコミュニティ全体を掌握することを嫌い、分散型ネットワーク技術を用いた特定のサービス運営者に依存せずにシステム全体を維持できる設計を採用している。

次ページ従来型SNSの仕組みへの疑問
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • おとなたちには、わからない
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • コロナ後を生き抜く
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ついに上場廃止、大塚家具の末路
ついに上場廃止、大塚家具の末路
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
2050年の中国<br>世界の覇者か、落日の老大国か

米国と並ぶ超大国を目指す中国。しかし中国の少子高齢化はこれまでの想定を超える速さで進行しています。日本は激変する超大国とどう付き合うべきか。エマニュエル・トッド、ジャック・アタリ、大前研一ら世界の賢人10人が中国の将来を大胆予測。

東洋経済education×ICT