日本人は欧州産チーズを真に楽しめていない EPA合意で関税撤廃の一方、複雑な問題も
そのがっかりするほど高いと言われる理由はほかでもない、輸入のコストや小売り価格の上乗せなどに重ね、今回話題となっている関税が原則29.8%もかかっていることが最大の理由だ。
今回EUとの交渉では、これまでTPP交渉でも守られてきた、カマンベールやモッツァレラなど日本で人気の高いソフト系チーズに対して低関税輸入枠が設けられ、段階的に関税が撤廃されることで合意した。日本の消費者はより安く高品質のヨーロッパ産のチーズを手に入れることが可能になる。
ただ、より複雑な問題も
しかし、同時に複雑な問題も生まれている。
訪れたのは、北イタリアのエミリア・ロマーニャ州にある都市、パルマ。ここは、日本では「パルメザンチーズ」の名でなじみが深い、パルミジャーノ・レッジャーノの原産の地である。パルマ近郊でホテルに宿泊すると、まず朝食ビュッフェには、驚くほど大きい塊のパルミジャーノ・レッジャーノが出現する。これをチーズ用ナイフで自分の好きなだけ削り落とし、食べ放題でどうぞ、というわけだ。
日本では大抵、レストランでチーズの盛り合わせを頼んでも、味見程度の小さな欠片がこぢんまりと上品に盛られてくるわけだが、こちらでは主食よろしく、どれだけ食べても原価はさほど高くないため、提供する側の懐も痛くないというわけである。
現地でのうまいとされる食べ方は、ゴロッとカットしたパルミジャーノ・レッジャーノに、モデナ産のバルサミコ酢をたらっと垂らしていただく食べ方だという。「ワインとパルミジャーノと少しのバゲットがあればあとは何もいらない、それがいちばんのご馳走だよ!」と現地のイタリア人は陽気に語る。
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