日経平均が一気に1000円以上動くのはいつか 7月はこのままだと30年ぶりの小さな値幅に
もし、ドラギ総裁が株式市場に配慮し、ジャクソンホールでは市場の「テーパリング」観測を再び抑える発言をしてくると、今度は逆にユーロ売り・ドル買い基調が強まる可能性が高くなります。ドル円相場は、5月の戻り高値1ドル=114.28円を上回ったあと、111円割れまであっさり円高方向に調整が進みました。4月と6月のときと同じように、52週移動平均線(109.90円程度)までを下限とした調整局面が8月中旬ぐらいまでは続くでしょう。しかし、次の円安トレンドでは7月11日の高値(114.49円)を上抜け、年内で119.95-120.60円処はあるとみています。
8月に高い確率で「重要なサイン」が点灯へ
筆者がテクニカル分析のベースにしている「一目均衡表」を見ると、8月に入ると留意しなければならない「サイン」があります。それは月足の「転換線」の傾きの大きな変化です。転換線とは、過去9カ月間の高値と安値の中値(間の値)で描かれる1本の線です。転換線が上昇していれば強気相場、下落していれば弱気相場と考えますが、実は7月はそのどちらでもない「横バイ」で推移しています。
しかし、8月は高い確率で上昇することが見込まれます。なぜかといいますと、ドナルド・トランプ氏が米大統領に決まった2016年11月の日経平均株価は2,370円程度上下に動く波乱相場となりました。その結果、今よりも相当下方に当時の安値が位置しています。今年の8月になると、ちょうど9カ月前が2016年11月となりますので、転換線の計算対象期間の9カ月間から、当時の安値が消えてなくなるからです。
要するに、月足チャートのある重要な1本の指標が大きく変化するため、株価も月のどこかのタイミングで大きな変化が起きうる可能性が高い、と仮説を立てることができます。
8月の前半か後半かは判断できませんが、後半のジャクソンホール前後とみます。そのあたりからユーロを買いづらくなる一方、今度は対照的に9月に向けて米国でFRB(米連邦準備制度理事会)の「バランスシート縮小」を織り込む動きになり、米金利上昇によるドル高につれて円安になる流れではないでしょうか。
さて、私が所属している非営利の団体・日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)では、「テクニカル分析について学びたい」という読者の方々のためにハンドブック(初級編②)を作成しました。前回大好評をいただいた基礎編、初級編①に続く3冊目になります。無料で配布しておりますので、興味のある方は、NTAAのHPからぜひお申し込みください。なお、基礎編、初級編①はNTAAのHP内(出版事業をご参照)で読むことが可能です。
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