グノシーは「後出しじゃんけん」で戦う会社だ 福島CEO「スマホの次の時代でも勝負できる」

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――最近は多くのネットメディアが動画のコンテンツや広告に力を入れている。グノシーはこれまで動画関連の戦略があまり見えず、後れを取っているようにも見えるが、どう考えているか。

まず前提として言いたいのは、グノシーは「後出しじゃんけん」の会社だということ。世の中に情報があふれてしまって、探したいけど探せない、探しにくいという状況になったとき、グノシーが「あなたの見たいものをまとめてあげましょう」と登場する。それが僕らの勝ちパターンだ。

「グノシー」と「ニュースパス」。ターゲット別に複数のアプリを展開する戦略が、着実に成果を生んでいる(撮影:尾形文繁)

それで行くと、動画市場はこの2年間くらい、コンテンツを作る会社がだんだん増えていくフェーズだった。

どうやら料理動画が伸びそうだ、ネコ動画もよさそうだ、というふうに流れができてきて、みんながまねしてやっと市場が広がった。「動画元年」と毎年のように言われてきたが、供給量が圧倒的に増えたのは本当に最近になってからだ。

それに、動画でめちゃくちゃ滞在時間を稼いでいるのは、現時点でフェイスブックくらい。それ以外のプレーヤーはみんな出遅れている。グノシーも出遅れているように見えるかもしれない。でも、1年半くらい前から動画関連の試行錯誤をしていて、一定の成果が見えている部分もある。最後に正しい形を作れれば、十分勝負できる。

僕らは情報と人のマッチングを助ける会社

――動画ならではの難しさや特徴はあるのか。

動画の場合、視聴時間や視聴完了率とユーザー満足の関係性を見いだすのが、テキスト記事以上に難しい。最初にハイライトが来る動画もあれば、後半にかけて盛り上がる動画もある。前者ならすぐに離脱していてもユーザーは十分満足かもしれないが、後者ではそうは判断できないだろう。

また、これは僕の感覚だが、テキストの記事には万人受けする人気記事がある一方、動画はその傾向が弱い。たとえば、僕は普段、YouTubeでバスケットボールのプレー動画ばかり見ているが、たぶんほとんどの人は興味がないだろう。みんなが共通に見ている動画は、超人気ユーチューバーのものくらいしかない。それだけ興味が細分化していて、推薦するのが難しいということだ。

とはいえ、僕らが情報と人のマッチングを助ける会社を標榜している以上、「動画はやれません」というのは使命の放棄になる。これからもアルゴリズムを鍛え、どんどん深掘りしていくつもりだ。

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