「かめはめ波」を本気でビジネスにした男たち テクノスポーツ「HADO」で新分野を切り開く
福田CEOはHADOの「スポーツ化」を視野に入れていたため、プレーヤーが試合を楽しむだけでなく、一目で楽しさが伝わる「観戦」の仕組みも重要だった。これも当初は実現できなかったが、フィールドの外に専用のカメラを設置し、その角度から見られるエナジーボールの動きなどをCGで合成。観客も試合を現在進行形で楽しめるようになった。
こうして、昨年11月には優勝賞金100万円の「HADO WORLD CUP 2016」を初めて開催。おそろいのユニホームにとどまらず、派手なコスプレをしたチーム、現役アイドルなど20組が参戦(応募は80組300名以上)、激戦が繰り広げられた。
今年も春、夏の大会や各施設の大会を経て、年末にワールドカップを開催する。賞金総額は300万円にアップ、ポニーキャニオンなどがスポンサーとして拠出している。こうした大会をアピールしていくと同時に、プレーヤーの裾野を広げるため、初心者向けの体験会も各施設などで積極的に行っていく考えだ。
難しいからこそ、意味がある
福田CEOはさらなるビジョンを描いている。1つが海外展開だ。すでにベトナムや台湾のほか、期間限定で米サンフランシスコ(7~8月)に展開しているが、今後は特にアジアに照準を合わせる。「アジアのアミューズメント市場は大きい。マレーシアやシンガポール、タイにも出していきたい」。
さらに、水面下では、新たなゲームも開発しているようだ。福田CEOは「弓矢などの武器を使えるようにするとか、サッカーやバスケットボールなどの球技のようにゴールに入れる、という形もありうる。ARを使った可能性をさらに切り開いていきたい」と意欲的だ。
実際、今年7月にはプレーヤーがカートを運転しフィールドに出現するコインを集める、「HADO KART」を発表したばかり。これは、これまでとはだいぶ方向性が異なるコンテンツだ。
世界規模でHADOを盛り上げ、プロ選手を生むような一大スポーツに育て上げる。これがメリープの一貫したビジョンだ。もちろん、まだほとんど存在しない市場を切り開くことは容易ではないだろう。だが、福田CEOはこう言い切る。「難しいことはわかっている。だからこそ意味がある」。
HADOでテクノスポーツという新しい分野を日本に根付かせることができるか。試行錯誤を続けながらも、メリープは着実に歩を進めている。
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