ドトール、3000冊並ぶ「図書館カフェ」の全貌 もう一段の成長目指し、新ブランドを育成へ

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もう1つには、中長期の成長戦略を構築することにある。

ドトール・日レスHDの業績は目下好調だ。2017年2月期は、客単価が高い業態の増加やコーヒー豆価格の低下が寄与し、最高益を更新した。今2018年2月期も勢いは続いており、第1四半期(3~5月)として過去最高だった。

連結売上高の1割以上を占める主力業態が、ドトールコーヒーショップ、星乃珈琲店、五右衛門の3つだ。ドトールは、グループで断トツの1100店舗超を展開するが、ここ数年で店舗数は伸びていない。五右衛門に至っては店舗数が微減傾向で、一層の収益力向上は難しい。

新たな収益柱となる業態が必要だった

目下、業績の牽引役となっているのが星乃珈琲店だ。店舗網を急拡大したうえ、高い客単価を維持している。だが、「コメダ珈琲店」など、店員が席で注文を取るフルサービス型カフェは競争が激しい。持続的な成長を考えた場合、新たな牽引役となる業態を確立することが不可欠なのだ。

新たなブランドの展開に意欲を示したドトール・日レスホールディングスの大林豁史会長(記者撮影)

梟書茶房はオープンから約3週間が経過したが、出足は好調だ。ツイッターやインスタグラムなどで、BOOKシフォンやパンケーキの写真が大きく拡散したことが大きい。大林会長は「新たな引き合いがあり、梟書茶房は複数店を展開するブランドになると思う。違う本屋さんとも組んでいきたい」と意欲を見せる。

「ブランドは1つやって絶対当たるということはありえない。グループの総合力を生かして新しいブランドを作り上げることがどんどん増えていく」(大林会長)。2018年2月期中には、コーヒーの新業態をさらに立ち上げる予定。競争の激しいカフェの世界で、試行錯誤はまだまだ続きそうだ。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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