「藤井四段ブーム」で、将棋界はどうなるのか

藤井四段と対局経験のある佐藤会長を直撃!

――過去の将棋ブームと比べるとどんな違いがありますか。

羽生善治3冠が全冠(=当時は7冠)制覇を逃した1995年3月から、防衛を続けつつ、1996年2月に初の全冠制覇を成し遂げた頃が、前回のブームといえるでしょう。この時は1年にわたる長いスパンのブームでした。

今回のブームは明らかに前回と性質が違います。前回はタイトル戦の制覇が起爆剤だったのに対して、今回は連勝記録の更新への期待とともに、藤井四段本人に注目が集まった部分が多いと思います。

数字だけでいえば206連勝した女子レスリングの吉田沙保里選手に比べて、藤井四段の29連勝は7分の1くらい。とはいえ、とてつもない記録であることは間違いありません。

何しろ、棋士は1勝するために大変な準備をする。それを29回重ねるには精神面、技術面で高いものを求められる。14歳という年齢は不安定さがあって当たり前なのに、それを感じさせないのがすごい。

ファンは棋士の一挙手一投足を楽しむ

――以前と今回の将棋ブームで、ファンにはどんな違いがありますか。

以前は皆、将棋のルールを知っていて、タイトル戦の解説会に足を運ぶというのがファンの一般的な行動でした。今は指さずに見る「観る将」というファンが存在し、将棋のルールを知らなくても、対局姿や食事のメニューといった棋士の一挙手一投足を楽しんでいます。

――前回のブームでは島朗九段を中心とした「島研究会」など、棋士同士の切磋琢磨が背景にありました。

「昭和40年代頃は、研究は弱い棋士がするものだといわれていた」という話を聞いたことがあります。共同研究はしない棋士が多かったのです。

われわれの世代では仲間同士が集まり、実戦形式のトレーニングをして総合的にレベルアップを図る方法はよく行われていました。そういう意味で研究会は有益でした。今は研究会にプラスして、コンピュータソフトでの研究を取り入れている棋士が増えています。

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