将棋連盟、動議で幹部3人解任の「異常事態」 漂流続ける将棋界に次々浮上する問題
2月27日。日本将棋連盟(以下「連盟」)が臨時総会を開催し、5人の専務・常務理事の解任動議について審議した。同日午後1時から4時間強をかけた同総会で、5人のうち3人の解任を決定した。解任は同日付である。連盟はプロ棋士を正会員とする公益社団法人だ。
今回解任されたのは、青野照市専務理事、中川大輔常務理事、片上大輔常務理事の3人。いずれも6月までの任期途中での解任となった。一方で、東和男常務理事、佐藤秀司常務理事の2人は留任。具体的な票数は開示されておらず、今後も開示する予定はないという。
2月初めに就任したばかりの佐藤康光会長は、総会の冒頭、「いかなる結果になっても、わだかまりを取って、ひとつになって前を向いていこう」と連盟会員であるプロ棋士に訴えたという。連盟の正会員数は234人(2月27日現在)。総会の出席者は216人(委任状による参加64人を含む)だった。
「申し訳ないが正直わからない」
総会直後の記者会見で「専務・常務理事解任をどう受け止めているのか」と聞かれて、「功績は大きかったと思うが、(連盟会員である棋士の)不満の方が大きかったのかな」と述べた。「3人解任の一方、2人留任されたということは何が肯定されて、何が否定されたと思うか」と問われ、しばらく考えた後、「申し訳ないが正直わからないというところです、はい」と率直に答えた。
これで3人の常勤理事が空席となるが、連盟は6月に定時総会を控えている。佐藤会長を含め全員が任期を迎える中、空席のままで行くか、改めて臨時総会を開いて空席を埋めるかは「早急に検討していく」(佐藤会長)というが、「実はまだこれからの予定を決めていない」(同)。このことからも、今回の解任は想定外の事態だったことがうかがえる。
今回の解任動議は、さかのぼること3週間前、2月6日の臨時総会で出されたものだった。連盟の定款14条2項では、会員の1割以上が請求すれば、臨時総会を開催できることになっているという。6日の動議は青野専務理事以下5人の常勤理事の解任だった。
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