「黒磯直流化」でJR東が新規投入する車両は? 常磐線などで活躍する「あの車両」が初見参

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宇都宮―黒磯間の地域輸送には205系が活躍(撮影:久保田敦)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2017年9月号「北関東の境界線」を再構成した記事を掲載します。

 

宇都宮9時09分発の黒磯行きは、座席をほぼ埋めた状態で発車した。つい最近まで横浜線や南武線で馴染みだった姿がそこにある。しかし、広告は少なく、内装の白さが目立つ。数少ない広告は幼い子どもが描いたイチゴの絵などで、見れば2018年度春に栃木で開催される「デスティネーションキャンペーン」の広告であった。

日中は40分間隔まで間引き

ところで、意外にスーツやYシャツの男性が多かったのは、栃木県内に工業立地が多いせいだろうか。30分間隔程度の運転であれば地方の線区としては頻度が確保されていると言え、とくに沿線人口の多い本線筋なので、通学生しかいない路線とはわけが違う。ただし、45分も間隔があいてしまうと、時刻表を意識しなければならない。

実はこの宇都宮―黒磯間、2010年の東北新幹線新青森開業前までは日中も20分間隔の高頻度だった。それが30分間隔となり、さらに北陸新幹線や上野東京ライン開業を翌年に控えた2014年にもう一段階間引かれて、学生の下校時間帯に差し掛かるまでの間が平均40分間隔の現行パターンとなった。1990年ごろと比較すると、宇都宮―黒磯間の通過人員はおよそ4分の3へと減少している。

また、長距離輸送が主眼の国鉄幹線の歴史を歩んできた路線の常として駅間距離が長い。埼玉県内は複数の新駅の追加で2~3km台の間隔に詰まっているが、当地は5~6km間隔が当然のようで、雀宮―宇都宮間は列車本数が多い南側にもかかわらず7.7kmも離れている。宇都宮市や県では JRに対し、列車本数の増加や新駅設置等の利便向上の要望はしているようだが、そこまでであり、具体的な構想や計画は見られないようだ。

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