「黒磯直流化」でJR東が新規投入する車両は? 常磐線などで活躍する「あの車両」が初見参

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何より、勝田車両センターのE531系は、定期検査のために日ごろから郡山の工場(郡山総合車両センター)に入場している。つまり、同区間の運転実績も積み重ねているのだから、その面でも好都合なのだ。

本年10月のダイヤ改正から黒磯―新白河間で営業に就くE531系(撮影:久保田敦)

ところで、交直流電車となれば宇都宮から郡山方面までの直通運転も可能にはなるが、ダイヤ改正の発表では、宇都宮―黒磯間の205系は変わらず継続され、黒磯での接続となった。また、交流区間側は新白河での折り返し運転となることが明らかにされた。じつは、黒磯からさらに福島県内へと乗り継いだ際、新白河駅の以前は通り抜けができた中線の中ほどに車止めが新設されていたのを見たので、想像できたことではある。黒磯―新白河間と新白河―郡山方面の列車に分離され、両者が縦列に停車して同一ホームで乗り換える形となる。ホームもかさ上げされていた。これもE531系の投入数を絞るためである。

E531系の投入は「最も順当な答え」だった

一方、このE531系のほか、一部列車にはキハ110系気動車も投入される。磐越東線用の車両を一部、郡山から融通して運用するのである。どうにもローカル線のような感覚が漂うが、黒磯―新白河間は、豊原―白坂間で栃木・福島の県境を越える、人の流動の少ない区間なのである。

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いろいろ思いを巡らすまでもなく、E531系の投入は、最も順当な答えであろう。ファンとしては意表をついた運転方法を期待する面もあったし、その根拠としてE531系5両編成はこの区間の輸送力として過大ではないかという趣旨の見方もあった。異電源にまたがる運転を近年の車両のラインナップで考えると、蓄電池車両もある。とくにこの地には、近場の烏山線EV-E301系の例があり、黒磯では交流側からわずかな直流区間に入るので、男鹿線に導入されたEV-E801系が頭に浮かぶ。しかし、蓄電池車両は新造コストが高い(価格が報道されているJR九州の事例では通常車両の1.7倍)。先行例の烏山線では、同線のために宇都宮にわずかな気動車を配置する基地や要員を抱えることとの総合的な天秤で考えられたもので、黒磯の場合は非電化が絡むわけでもなく、決して最適解とは言えなかったようだ。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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