ロシアが財政危機を免れていること自体、驚くべきことである。これには、ロシア連邦中央銀行が果たしている役割が大きい。だが、そのしわ寄せの大部分は消費者に降りかかっている。
通貨ルーブルの価値は米ドルに対して5割も減少。実質賃金と消費はともに急落した。以前は1000ルーブルを持ってスーパーに行けば2袋分の買い物ができたが、今や1袋分だと、あるロシア人が言っていた。
プーチンの失策を隠す国営メディア
ロシア規模の不況が民主主義の西側諸国で起きたとすれば、政治的に乗り切るのは極めて困難だったろう。だが、プーチン氏の権力は、まるで揺らいでいない。
国営メディアは失政を覆い隠すために、西側からの経済制裁を非難したり、クリミア併合やシリアへの軍事介入への支持をあおっている。たいていのロシア人は、学校教育や国営メディアによって、西側諸国のほうがひどい状況にあると信じ込まされている。残念ながら、そのような情報操作は改革への処方箋とはなりえない。
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