「低所得者向け減税」が米国経済を救う理由

カリフォルニア州の例が物語っている

トランプ大統領が抱える富裕層向け減税対策の効果は「机上の空論」に過ぎない(写真:Mike Segar/ロイター)

トランプ米大統領と共和党議員は、高額所得者への大幅減税を優先課題に掲げている。彼らは、減税は経済成長を刺激し、雇用を生み出し、税収増をもたらすと主張している。

だが、こうした説には根拠がない。数え切れないほどの研究によって、トリクルダウン(富裕層や大企業が豊かになれば、その恩恵は低所得者層に及ぶとする説)は空想の産物に過ぎないことが証明されている。最近では、カンザス州でそれが実証された。同州は2012年に減税を行ったが、経済成長はまったく起きなかった。

EITCの驚くべき効果

同じ過ちを犯す前に、トランプ大統領はカリフォルニア州に学ぶべきだ。同州は2012年に高額所得者への増税を行って以降、全米トップレベルの経済成長率を達成している。そして現在、同州は独自の勤労所得税控除(EITC)を大幅に拡大しようとしているところだ。

連邦のEITCは、低所得勤労者のための給付つき税額控除で、労働時間や扶養している子どもの数に対応する。ノーベル賞経済学者ミルトン・フリードマンが提唱した負の所得税(所得が一定水準を下回る低所得者に政府が給付金を与える)のアイデアから生まれた。フォード政権で導入されたEITCは、レーガン、クリントン、ブッシュ(子)、オバマ政権と、党派の区別なく拡大されてきた。

実際、EITCの拡大は超党派での合意が可能な政策だ。EITCは、雇用参加を促し、低所得者層の収入を引き上げ、貧困を減らし、経済成長をもたらし、母子の健康に加え、低所得者層の子どもの学業成績を改善させてきたという実績があるからである。

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