ロシアの経済危機はかなり深刻なはずだ

プーチン大統領によって隠されているが・・・

ロシア経済の先行きはプーチン大統領が5年前に考えていたほど明るくない(写真:Carlos Barria/ロイター)

原油価格の急落にもかかわらず、ロシアは経済危機を免れている。だが、その先行きはプーチン大統領が5年前に考えていたほどには明るくない。

2012年にモスクワで行われた会議で、プーチン大統領がノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン氏とともに登壇したとき、「1998年のロシア危機は遠い昔の思い出のようだった。原油価格は1バレル=100ドルを優に上回り、国庫は潤沢だった。西側の民主主義国家はリーマンショックにまるで対処できていない」とのクルーグマン氏の見解を聴衆に聞かせ、プーチン氏は悦に入っていたに違いない。

原油価格はピーク時から急落

一方、別の会議では、ロシアの経済学者グリエフ氏(後に亡命)が、司法などの制度が脆弱なままでは、資源輸出依存のロシア経済が変わる望みはないと主張していた。あまりに多くの決定が1人の人間によって行われていたからだ。同じ会議で私は、大規模な改革が行われないかぎり、エネルギー価格の急落は深刻な問題を引き起こすことになると力説した。

かくして、原油価格は暴落した。現在の市況(7月上旬時点で50ドル以下)ですら、2011〜2012年ピークの半分に届かない。輸出の大半を石油と天然ガスに頼っている国にとっては大打撃だ。

次ページ不況のあおりを食ったのは誰か
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • インフレが日本を救う
  • コロナショック、企業の針路
  • スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
文具業界を揺るがす動乱<br>「コクヨvs.プラス」の全真相

昨年末のぺんてる株をめぐる文具2強によるプロキシーファイト(委任状争奪戦)。両社のバトルには、8月に設立したプラスの卸子会社が2年前の計画で一度頓挫していたことにも伏線が。縮小する文具業界再編をめぐる壮絶な主導権争いに迫ります。