EU離脱というポピュリズムの潮目は変わった

右にも左にも行かない、欧州エリートの正体

オランダでの総選挙で、EU の政治権力や一国の自治の問題は薄れた。(写真AP/アフロ)

フランス語で勝ち馬に乗るという表現は、「走っている電車に乗る」という。走っている電車とは Le Train en marche、偶然にも「共和国前進!」 La République en marche!と同じような表現である。この偶然によるものかどうかは別として、「共和国前進!」がフランス議会選挙で圧勝した。その10日ほど前のイギリスの議会選挙では、EU離脱(Brexit) の保守党が大幅に議席を落としていた。

潮目が変わったというのが大方の見方であろう。潮目は2017年3月のオランダ議会選挙だろうがどう変わったのか。

EU離脱の”勝ち馬”に乗った2016年

2016年6月のイギリスにおける EU 離脱投票の勝利から、同年秋の米国におけるトランプ勝利までは 、EU 批判とポピュリズムという流れであったと思われる。2008年のリーマンショック以後、EU 対する批判には厳しいものがあった。EU の中で厳しい緊縮財政を迫られているギリシアなどは、EU 反対派が勝利したが、EU はそれをねじ伏せた。もはや一国の自治は存在せず、EU という国家連合体がそれぞれの国の生命与奪の権利をもっている、といえる状態に見えた。

前回の「かつて資本主義は民主主義と蜜月関係だった」にも書いたが、いまや EU 官僚が民主主義の権利を奪っていると見えるのも確かだ。こうした問題に対して極右と極左は、EU 離脱を主張していた。既成政党の中でもこうした動きに乗る、いわば EU 離脱の”勝ち馬に乗る”動きもあった。それが昨年のイギリスであったとも言える。

しかし、今、潮目が大きく変わっている。極右の脅威を喧伝することで、マスコミは極右対民主勢力という構図を描いた。極右勢力はポピュリズムという名のもとに批判の対象となる。極右から身を守るということが、前面に押し出された結果、EU の政治権力や一国の自治といった問題は薄れた。その大きな変わり目がオランダの議会選挙だったといえよう。

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