栄美:もともとやりたかったこともありますし、そうですね、真剣に考えてみます。そう考えると、また楽しみですね。今の仕事も、人間関係などのコミュニケーションは問題ないので、働き続けられると思います。60歳以降、継続雇用制度もありますし。いったん60歳で辞めようと思っていましたが、いずれにしても65歳まで働き続けます。
岩城:そうですか! では、3つ目の「退職時には、住宅ローン残高を一括返済すること」を検討してみましょう。
これはなぜ大事なのでしょうか。まず、想定する老後の生活費は、現役時代の水準の62%から計算すると月額約12万4000円ですので、年間では148万8000円です。現在の予想年金額84万円(やや少なめに見積もっています)を引いた、64万8000円を、現在資産額から毎年取り崩していくことになります。65歳以降30年間とすれば、1944万円かかります。
一方、今の家賃6万8000円分を住宅ローン返済額とし、購入後も3万円の貯蓄を続ければ、60歳までに648万円が貯められます。
そうすると、どうなるでしょうか。
つまり、95歳までの老後生活費をしっかり確保したうえで、この904万円をドンと返せる一括返済額とすることができるのです。この「一括返済の限度額」も考慮して、くれぐれも借りすぎないように、借入金額を決めるとよいでしょう。
先ほど言いましたが、65歳までの5年間は、資産を取り崩さないで「イーブン」で済むように、年間130万円程度の収入を得ることが非常に大切になってきます。それから、これからの毎月3万円の貯蓄は、NISAなどを使って、少しでもおカネにも稼いでもらうということも考えるとよいかもしれませんね。
栄美:わかりました。取りあえず、家を買ってもどうにかやっていけそうだということで、ほっとしました。友達とも助け合って一緒に年を重ねて、地道ですが、プチプラファッションではやりも少し取り入れたりしながら、我慢しすぎず頑張りたいと思います。我慢しすぎると逆に散財してしまったりしてしまうので。
岩城:家賃を払いながら、きちんと貯蓄もして、非常に成熟した考え方を持たれていると思います。ぜひ、心地よいコミュニティで豊かな人間関係を築きながら頑張ってくださいね。
栄美:Bruno Marsという歌手の詞に「家賃を払っている女性にリスペクト」というところがあり、励まされています。自立しているということかなと(笑)。
いかがでしたか。栄美さんは、若いうちからコツコツと貯蓄を続けることで、資産を殖やしています。「時間」って本当に大切だな、と改めて思いました。
これまでおカネを貯められなかった人も、今からでも遅いということはありません。「おカネの問題」は、シンプルに解決することができるのです。時間がある人は、なおさらです。「老後不安」などという得体の知れない影におびえず、おカネの問題を片づけて、それよりもずっと大切な「人生」に取り組んでいきましょう。
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