転勤・職務転換なし「限定正社員」は広がるか 働き方の多様性につながる制度ではあるが…
政府の働き方改革の議論が進む中、企業も週休3日制の導入など、様々な改革を始めている。その1つが、ジョブ型正社員(限定正社員)制度だ。政府の規制改革推進会議でも4月13日、ジョブ型正社員(限定正社員)の普及に向けた公開討論会が開かれた。
この日、配られた資料によれば、ジョブ型正社員は「職務、勤務地、労働時間のいずれかの要素(又は複数の要素)が限定されている正社員」のことだ。会議では、ジョブ型正社員という名称が使われているが、すでに導入した企業によっては「限定正社員」と呼ばれることもある。
働き方の多様性につながる制度ではあるが、導入の課題はないのだろうか。野澤裕昭弁護士に聞いた。
「ジョブ型正社員」導入の課題
「ジョブ型正社員は労働者のニーズ(育児や介護、特定の職務に限定して専門性を発揮したい等)や非正規労働者が正社員にステップアップする通過点として活用する等に有用とされています。
しかし、既に、多くの企業で労働者のニーズに合わせた働き方が導入されており、新たに法制度として新設する必要性が乏しいと言われています。労働組合や厚労省が『消極的』とされる背景にはこうした事情があります」
導入に際して、どのような課題があるのだろうか。