「米朝戦争」の危機はヤバイほど高まっている

ICBM発射実験成功のインパクトは大きい

なにしろTHAAD問題をめぐって、米韓関係に不協和音が生じると、トランプ政権が中国に圧力をかけて、対北朝鮮制裁圧力を強化しているパワー戦略構造が根本から崩れかねない。せっかくのトランプ大統領の中国への圧力が中途半端な効果と化してしまう。結果的に対北朝鮮制裁圧力も、北朝鮮の暴走への歯止めも効かなくなる。

現に、北朝鮮の態度はいっこうに変わっていない。トランプ大統領は北朝鮮に対する中国の制裁圧力の実効性に疑問を抱いている。中国はトランプ政権が期待したほどのことをやっていない。政権内や米議会にそういう強い不満が出ている。

その証拠に、トランプ政権は米韓首脳会談の直前、北朝鮮の核・ミサイル開発に絡んで中国への圧力を高めている。経済的・法的には、中国の銀行に対して独自の制裁に踏み切り、政治的・軍事的には、台湾への武器供与も決め、さらに、より直接的な国際軍事戦略として、南シナ海での「航行の自由作戦」も再開した。

これら一連の動きは、4月初めの米中首脳会談以来、中国に対して融和的なアプローチをとってきたトランプ政権の実質的な方向転換を意味する。ここへきての対中制裁圧力の強化は、いわば中国とのハネムーンの終わりを告げるものだ。

トランプ大統領の北朝鮮戦略ベストシナリオ

トランプ政権の対北朝鮮制裁圧力における軍事以外のオプションとしては、(1)中国を立てた制裁圧力・説得工作、(2)米朝首脳の直接会談による決着、(3)ロシアとの関係をテコにした解決策、の3つが考えられる。

いずれも相互に関連し合っている。トランプ大統領は選挙戦中から、北朝鮮の金正恩労働党委員長と直談判してもいいと何度も言っていた。上記の(2)に関しても、金委員長が米国に来るなら歓迎するとも発言している。

大統領に就任してからは、オバマ前大統領からの「命がけの引き継ぎ」もあり、適切な状況下での米朝トップ会談の可能性を念頭においていることは間違いない。

その適切な状況下とは、中国はじめ国際的な制裁圧力や説得工作などによって、金委員長が核・ミサイル開発の凍結を決断するような状況だ。その意向をトランプ大統領とのトップ会談で示せれば、上出来だ。トランプ大統領にとって、ベストシナリオと言っていい。

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