韓国文政権誕生で、米韓関係に訪れた「転機」 北朝鮮政策の違いをどう乗り越えるか

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文政権の誕生で、米国との同盟関係はどう変わるのか(写真:YONHAP NEWS/アフロ)
5月10日、文在寅氏が大統領に就任した韓国。北朝鮮に対する「対話政策」を掲げる文政権の誕生によって、米国との同盟関係が転機を迎えようとしている。専門家はどう見ているのか。シンクタンク、全米アジア研究所(NBR)への寄稿を転載する。

 

朴槿恵前大統領の弾劾追放へとつながった数カ月間に及ぶ韓国の政治騒動は今、革新派政権への回帰という結末を迎え、保守体制の10年間に終止符を打った。民主党の指導者、文在寅氏の当選は、朝鮮半島で緊張が高まる中で起きた。

北朝鮮との関係は、確かにこの選挙の中で議論されてきた。しかし、韓国の有権者、特に若い世代は主に、汚職やエリート特権、権力濫用、格差などによって引き裂かれた社会の認識に対する怒りに突き動かされた。汚職罪をめぐる何カ月もの大規模抗議運動は、国会に朴大統領を弾劾させることにつながり、憲法裁判所に全員一致でこの決定を支持するよう迫った。

朴氏は現在、拘置所に収容されており、旧友(崔順実)と機密を共有し、韓国の大企業から金を巻き上げようと彼女と共謀した罪で裁判を待っている。韓国の肥大化した複合企業、サムスンの副会長も身柄を拘束されており、政府から便宜を図ってもらう見返りに、朴氏の友人に金銭を渡した罪で起訴されている。

米韓同盟関係にも変化が

文大統領は、韓国における社会正義と民主的統制の改革を求める波に乗り、政権を獲得した。米国の政策決定者らは、この左派政党が韓国の政権を取ることにつながった国内的要因が、最も重要な課題として残り続けることを心に留めておく必要があるだろう。

そうはいっても、韓国の革新派勢力が再び政権に就いたことは、米国との同盟関係に明確な影響を及ぼすことになるいくつかの政策分野での重大な転換を予言するものだ。選挙期間中、文大統領は、革新派を象徴する金大中元大統領が1990年代後半に取り入れ、文大統領が職員のトップとして仕えた金元大統領のイデオロギーの継承者、盧武鉉元大統領が継続した関与政策――、いわゆる太陽政策に意識的に賛同する南北関係のアプローチを打ち出した。

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