ディズニー「エレナ」を親子で見るべきワケ 「女性リーダー」の描き方が秀逸だ

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エレナは最初のうち、この国王の集まりに入れてもらうため努力しますが、しだいに、ヘクター国王の身勝手を許せなくなります。さまざまな形で反対を唱えた末、「国王の集まりに入れてやらないぞ」と脅されたエレナが反論するシーンが印象的です。

「私は国王にはならない。女王になるのよ!」

お話のテーマが「理想のリーダー」であることは、大人の目には明らかです。国民から集めた税金を自分のためだけに使うことのおかしさ。人や動物をいじめる幼稚さ。権力を公共のためでなく、自分のために行使する愚かしさ。

また、ヘクター国王のやり方に賛成できないのに、ご褒美欲しさに反対できない、他の王たちの主体性のなさも見どころです。子どもたちは、学校や保育園・幼稚園での人間関係を想起しそう。友達のやることに違和感を覚えるとき、自分はちゃんと意見を言えるか。何となく、強い子の意見が通ってしまっていないか、と。

変革はひとりではできない

もともとヘクター国王のやり方に疑問を感じていた1人の若い王が、エレナの味方につくシーンも印象的です。このシーンは、変革はひとりではできないこと、協力者の勇気が必要であることを教えてくれます。子どもは、勇気を出して意見を言った人に「賛成」することの重要性を理解できるでしょう。

「国王」ではなく「女王」になる、というエレナの発言は、今ある慣習が間違っているとき、それを変えていくのが本当のリーダーなのだ、と教えてくれます。既存のルートで偉くならなくていい。そもそもルールが間違っているなら、それを変えるのが本当のリーダーだ、とわかるのです。

仕事と家庭の両立を想起させるエピソードもあります。ある時、エレナのアバロー王国に国賓がやってきます。これから貿易をする相手国の王様で、とても大事なお客様です。ところが彼をもてなす日と、エレナの妹イザベルが出場する発明品の発表会が重なってしまいました。両親を亡くしたエレナにとって、イザベルは唯一の家族。イザベルはいわゆる「リケジョ」で、発明が大好きです。

国の経済発展には貿易が大事。でも、妹はもっと大事。迷った末、エレナは国賓とのパーティを中座して、妹の発表会に向かいました。新たな契約が取れそうな会議と、子どもの大切な行事。もし2つが重なったら、どうしようか。このエピソードは、働く親が直面することが多い課題を、おとぎ話の中でうまく描いたものです。

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