クラブツーリズムがバス旅を高級化する狙い 飛行機、鉄道に続きバスツアーも高級路線
7月1日、大手旅行会社クラブツーリズムは最新鋭バスの運行を開始した。同社の高価格帯バスツアーでのみ使用される「ロイヤルクルーザー碧(あおい)号」だ。
大型観光バスは40席以上を搭載することもできるが、碧号は3列シートで総席数18と少なめ。その分、革張りの座席は大きくリクライニングできるほか、全席に備えられたiPadで、添乗員の説明する資料を見たり、NTTドコモが提供する音楽サービスも使うことができる。
天井の荷物棚を取り外し、座席前にムクの木でできた手荷物置きを作ったり、トランクには荷物専用のロッカーや冷蔵庫を備えるなど、豪華な作りをウリにしている。
発祥は近畿日本ツーリストの渋谷支店
このロイヤルクルーザーブランドは同業他社との差別化を進めるために2007年に開始。10年目を期に昨年からバスの刷新を進めており、2016年4月に隈研吾氏が内装デザインを監修した「海号」が、今年4月には「空号」に次ぐ新型となる。
この日に催行されたのは箱根の老舗ホテルに泊まり、登山鉄道に乗ったり、ポーラ美術館をめぐる1泊2日のツアー。食事込みで1人7.4万円(2名1室利用)と決して安くはないが、「18席中、17席が埋まった」(会社側)という。
今後、催行を予定するツアーは1人当たり、日帰りで2万円弱、宿泊で7万円~20万円程度。売れ行きが好調なことから、同社は今後、「碧号」と同タイプのバスを関西や東海でも導入予定だ。
クラブツーリズムは、近畿日本鉄道を筆頭にした近鉄グループの一員。元々は近畿日本ツーリストの渋谷営業所を運営母体に1980年に発祥した社内ベンチャーだ。
その後、2004年に分社独立。ファンドの傘下に入ったこともあったが、2013年に近畿日本ツーリストと経営統合し、持ち株会社KNT-CTホールディングスの傘下に入り、現在に至る。
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