医療格差の時代 米山公啓著
新研修医制度は深刻な医師不足を招き、患者は療養病床の削減で病院を追われ、診療報酬の改定によりリハビリすら思うように受けられない。問題の根本には「誰でも同じ医療が受けられる」という虚構を、追求したことがある。適切な医療にはおカネが必要で、医師の力には限界がある。その事実を覆い隠して、国と患者が医療現場への要求を高め続けたことが、医療の「惨状」をもたらした。
古い体質の医療界の改革は必要だが、「医療に失敗は絶対許さない」という今の風潮も医師を追い詰めるだけだと警鐘を鳴らす。これからの医療は無限の財産ではなく医者・患者とともに共有すべきものだと、現役医師である作家が、現場の視点から訴える。
ちくま新書 714円
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