NEC株主、「談合と業績不振」に不満が大爆発 相次ぐ怒りの声、修正動議も飛び出した
「再発防止に向け努力します」「深くお詫び申し上げます」――。6月22日、東京・港区でNECが開催した株主総会は、株主の不満が炸裂する緊迫ムードとなった。
その原因は談合だ。昨今、NECは計4件の談合による独占禁止法違反を認定された。うち3件で課徴金納付命令を受け、自治体から指名停止(入札に参加できない)もされている。昨年7月に命令を受けた東京電力関連の1件は自主申告で処分免除となった。しかし、消防救急デジタル無線機器の談合で11億5517万円、中部電力関連(電力保安用通信機器など)の2件では計2億4065万円の課徴金を課せられた。これらは2月に命令を受けている。
議長を務めた遠藤信博会長は開会前、相次ぐ談合について緊張した様子で謝罪の言葉を重ねた。
「談合の反省が何一つないのでは?」
質疑応答は、株主からの反対意見のオンパレードだった。
まず、第3号議案「監査役1名選任の件」について株主から反対意見が出された。これは木下肇顧問を監査役に新任する議案だが、木下氏は1982年に入社し、2008年から法務部長を務めていた。2013年には内部統制推進部長も経験。まさに談合を防ぐべき立場にあったといえる。
「法律の専門家なのに談合を防げなかったのは並々ならぬ罪だ。それなのに今回監査役に据えるとは、会社は反省が何一つないのではないか」。厳しい指摘だった。これに対し、遠藤会長は「木下氏は新しい方法論で内部統制のプロセスを作った人物。コンプライアンスの構築を経験した意義は大きい」などと理解を求めた。
また、「現経営陣は報酬を一部返上するということだが、談合の責任を取って退任すべきではないか」との声もあった。遠藤会長と新野隆社長が3カ月、3割減額、関係執行役員が1〜3カ月、1〜2割の報酬を返上しているが、責任の取り方が不十分というものだ。遠藤会長は「役員の再任・新任は指名委員会が選定したもの」と型どおりの回答を述べるにとどまった。
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