自立のためには、「ママ友」との関係も重要だ 写真家・植本一子さんに聞く「仕事と人生」

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――夫のがん治療に、育児に、仕事に、それどころじゃなかった部分もあると思いますが。

ママ友は、同い年の子どものお母さんだから状況が同じなわけじゃないですか。大変さがわかるからこそ頼めないって思ってたんだけど、実際に向こうから、例えば「ちょっと、このときだけ子どもを預かってもらえる? お願いしていい?」と言われたら、ちょっとうれしいというか。

――頼られて、うれしい気もします。

自分のなかに「どうせ私のことなんてわかんない」というのがあったんだと思うんです。でも向こうからしたら完全にオープンで、名前も顔も覚えてて、すごく心配されたんです。

結局そういうことを、近所のママ友じゃなくて友だちに託しちゃったところがあった。全部みんなに時給500円で頼んじゃった。頼みづらいからおカネを介した部分があって。

でも多分、近所のママだったら、きっとそんなのはないんですよね。おやつ持っていくとか、そういうことで済むんです。

なんかこう、できなかった。あんまり人付き合いはうまくないんですよ。ただ頼れる人が近所にいるといいなとは思います。

(c)植本一子

「ひとりでいる」ための友だちを作る

――ママ友もそうですが、自立のためにいろんな人にちょっとずつ頼ることが大切という話もありました。ただ、結婚せずに「ひとりで生きる」と思っている人もいます。生涯未婚率も上がり、男性のおよそ4人に1人、女性のおよそ7人に1人が生涯未婚です。

今は多いですよね。わたし自身はしんどくなると思う。世の中が、もう本当「結婚しろ、結婚しろ」って、国を挙げてそういう感じになってるじゃないですか。本当に強いマインドがないときつい。流されます。

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