行かないとあとで後悔するインターンシップ 「採用に直結しない」はどこまで信じられるか

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インターンシップは、企業にとっては「採用選考活動」ではなく、「広報活動の一環」という意味合いが濃いのが実態です。「こんな会社がある」「こんな仕事をしている」「こんな社員と働ける」と、まず会社や仕事をよく知ること。学生の皆さんが就職先として検討するのは、その後でもいいのです。

ただ、「インターンシップの時点で熾烈な選抜があることに驚いた」という声があるように、インターンシップに応募すれば、必ず参加できるわけではありません。

実は狙い目は中小の優良企業だ

昨年度にインターンシップを実施した企業で、「参加者の選考をしていない」企業は35.2%で、うち従業員規模300人未満では約半数に上ります。規模が小さくても高い技術力を誇っているなど、学生にはあまり知られていない優良企業はたくさんあります。こういったほかの学生には知られていない会社を発掘するのもお勧めです。

より得るものが多い体験にするために、気をつけるポイントは以下の3つあります。

1、参加企業について調べる

2、参加して何を得たいか目的を持つ

3、振り返る

Plan(計画)・Do(実行)・Check(確認)・Action(改善)の頭文字を並べた、「PDCA」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、インターンシップも同じ。どんな会社で、何を得るために参加するのか計画し、終わったら自分が思っていたことと何が同じで何が違ったか、参加目的は達成できたか、新たな疑問や気づきはないかを振り返ることです。

新たな課題や疑問を解決するには、どうすればいいかを考え、実行する。「仕事の基本」ともいわれるPDCAの考え方を、ぜひインターンシップでも実践してみましょう。

もちろん、積極的に社員や参加学生とコミュニケーションすることも、お勧めです。「親身に話を聞いてくれた」「思っていたより話しやすかった」という参加学生の声も聞きます。社会人も昔は皆さんと同じ学生。皆さんが感じているよりもずっと学生を応援したいと思っています。学生の特権ともいえるインターンシップ。「やっておけばよかった」と後悔しないためにも、ぜひ積極的に参加してほしいと思います。

杉村 希世子 リクルートキャリア 就職みらい研究所 主任研究員

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すぎむら きよこ

1994年リクルート新卒入社。一貫して人材関連事業に従事。転職情報誌『とらばーゆ』編集部、2度の育児休暇を経て2007年より『就職ジャーナル』編集部。自己分析、エントリーシート、面接など就職活動ノウハウの記事を多数手掛る。GCDF-Japan(キャリアカウンセラー資格)取得。
 

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