交流戦で今年も「パ・リーグ」が圧倒的なワケ なぜ、「セ・リーグ」野球は差を付けられたのか

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大学・社会人と高校生のドラフトが別々に行われた2007年は、大学・社会人で6球団が競合した大場翔太(東洋大)をソフトバンク、5球団が指名した長谷部康平(愛工大)を楽天が獲得。高校生は4球団が競合した中田翔(大阪桐蔭)を日本ハム、2球団がかぶった唐川侑己(成田高)をロッテが獲り、セは5球団競合の佐藤由規(仙台育英)をヤクルトが引き当てて一矢を報いるのがやっとだった。

それ以降は大学・社会人も高校生も同時の入札制になり、2009年は6球団競合の菊池雄星(花巻東)を西武、2010年は同じく6球団が指名した大石達也(早大)を西武、4球団がかぶった斎藤佑樹(早大)を日本ハムが引き当てた。

2011年は3球団競合の藤岡貴裕(東洋大)をロッテが獲得。結果的に入団を拒否されたが、「巨人1本」の菅野智之(東海大)を敢然と指名して交渉権を得たのは日本ハムだった。

2012年は3球団競合の東浜巨(亜大)をソフトバンク、2球団の森雄大(東福岡)を楽天、2013年は5球団が競合した松井裕樹(桐光学園)をこれまた楽天が獲得。2014年は4球団競合の有原航平(早大)を日本ハム、2015年は4球団の高橋純平(県岐阜商)をソフトバンク、2016年は5球団が指名した田中正義(創価大)をソフトバンクが……。

ドラフトの「くじ運」に苦しむセ・リーグ球団

この間、セが獲得した1巡目の競合選手は前述した由規の他、2009年にいずれも2球団競合の松本啓二朗(早大→横浜=現・DeNA)と大田泰示(東海大相模→巨人。現・日本ハム)、2012年4球団競合の藤浪晋太郎(大阪桐蔭→阪神)、2013年の大瀬良大地(九州共立大→広島)……。

2010年にはヤクルトが外れの外れ1位(1位指名の競合でくじを2回外し、3回目の抽選で当てた場合)で山田哲人(履正社)を当てるラッキーもあったが、ともに2球団が競合した2014年の山﨑康晃(亜大→DeNA)、2015年の高山俊(明大→阪神)、2016年の柳裕也(明大→中日)はいずれもセ球団同士の指名だった。

競合した選手が必ずしも大成するとは限らないが、これだけくじ運が違えば戦力差が生まれるのも無理はない。

残念なセの中でも、巨人は2011年の菅野に続いて2013年に石川歩(東京ガス、現・ロッテ)、2016年は田中を外したばかりか、あえて競合を避けて単独1位指名した2014年の岡本和真(智弁学園)、2015年の桜井俊貴(立命館大)も期待どおりの戦力にはなっていない。

2位以下の指名でものになっているのは2013年3位の田口麗斗(広島新庄)くらいで、ここ数年続くドラフト戦略の失敗が現在の低迷につながっているのは言うまでもない。

一方、パの首位を走る楽天はくじ運に恵まれただけではない。

2012年2位の則本昂大(三重中京大)がエースとして君臨し、2015年3位の茂木栄五郎(早大)が強打の1番打者として打線を牽引。さらに2011年4位の岡島豪郎(白鷗大)、6位の島内宏明(明大)もレギュラーとして頑張っている。

ドラフト戦略の勝利。監督在任中の2011年ドラフトからチーム編成に手腕を発揮してきた星野仙一球団副会長の功績が大きい。

「足でもスイングスピードでも何か1つ人より秀でたものを持っている選手は可能性がある。三振をたくさん取るピッチャーも何か持ってる。最後は勘やな」

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